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第10話◆梅さんの裏切り…エピローグ◆

「待て新渡戸寅ノ助!」


「……まだ何か?」


「………」


梅さんは黙り込む。学校長は梅さんの肩を叩いた。その笑顔がとても印象的で…学校長は優しいオヤジの顔だ。梅さんは口をへの字に結び新渡戸を睨みつける。だが次に口にする言葉が思い浮かばない。


「…言いたいことがあるならはっきり言いたまえよ!」


「………」


「ふん…無いのかね?じゃあこれで失礼するよ」


「ま…待て…よ」


「……で?」


「お…俺と…俺と勝負しろぉーーーー!!!」


静まり返る。学校長も息子の思いもよらない発言で固まっている。勝負?何を?人類の至宝新渡戸寅ノ助と勝負?

新渡戸は呆れたように言い返す。


「ふっ…勝負?人類の至宝である私と?気は確かかね?でいったい何の勝負をする聞かね?」


「次回の芥川賞…どちらが受賞するか…受賞したほうが勝ち…と言うのはどうか!」


「ほう…本気でいってるのか?天才作家の私と小説勝負?勝算があるとでも思ってるのか?」


「ある!もし俺が勝ったら小説家になろうから主食ポコチンを排除する!もし俺が負けたら煮るなり焼くなり好きにしたらいい…好きなだけ主食ポコチンで投稿したらいい…」


口から出任せだった。自分でも勝算などないと思っている。ただこのまま何もせず新渡戸の好きにさせるのは嫌だった。負けるとわかっている勝負をするのだ。新渡戸は鼻で笑い勝負を受けた。


自分でも分かっているよ…


無名の作家が天才作家に叶うはずがないことぐらい…


神様に叶うはずがないことぐらい…




わかってる…










2008年7月7日…芥川賞受賞作品発表当日…

満員の観客、今年の芥川賞は世間の注目をあつめている。最終候補作品はふたつ…ひとつめは常連新渡戸寅ノ助の『樹海に生きる猫』



そしてもうひとつ…



無名作家の作品である…こんな作家専門家でさえも聞いたことがない。



受賞候補作品『ふたつの心』作者名、梅田洋平


前評判は新渡戸有利と言われているが専門家の中でも意見が真っ二つに別れる。それ程までに甲乙付けがたい作品…ひとつ言えることはふたつとも素晴らしい作品だと言うこと。


司会者が壇上に立ちマイクを持つ。


静まり返る会場。


「え〜これより今年度芥川賞受賞作品を発表します」


「………」


「………」


「………」


「今年の受賞作品はーーーーーーーー」




ワァーー!ワァーー!ワァーーー!



会場は歓声につつまれた…


受賞作品はあえてここに記することはしない。ただ『小説家になろう』はいままでとなにも変わらず運営されていること…


そして主食ポコチンも元気に毎日小説投稿されている事…

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