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第2話◆天才作家、主食ポコチン先生◆

現代の宝、芥川賞授賞作家、新渡戸寅ノ助…信じられるだろうか?生きる文豪とまで賞される作家の携帯作品が『うんこ』と言うタイトルであり起承転結もなく下ネタを並べただけの愚作だということ…さらに寅ノ助は最高傑作と賞し満足感に浸っていると言うこと…

ちなみに携帯小説での作者名は『主食ポコチン先生』である…


そして『うんこ』と言う作品を投稿してから数分後、数々の評価感想が来た…ここに少し抜粋していく。


名前:メタカツ

死ねキチガイ!てめ〜が小説サイトいること事態が気に入らない!小説の基礎とかそれ以前の問題だ!

文章★☆☆☆☆

作品★☆☆☆☆


名前:嵐

くだらない事書く暇あったら他にやることないのですか?こんな事して楽しいですか?

文章★☆☆☆☆

作品★☆☆☆☆


名前:ハンバーガー先生読んでいて吐き気がしました…あなた小学生ですか?ちゃんと勉強しようね

文章★☆☆☆☆

作品★☆☆☆☆


数々の批判意見ばかりである…これも今に始まったことではない寅ノ助がかく携帯小説は基本的に下ネタしかない…いつもこういった批判意見がくる。この批判意見を送った人達は夢にも思わないだろう『主食ポコチン先生』と新渡戸寅ノ助が同一人物だと…


「ふふ…下等な人間達には分からないかこの作品の深さを…」


寅ノ助は1人ブツブツ言いながらキーボードを叩く。評価感想をくれた人たちひとりひとりに律儀に返信するのだ。

例えば…


返信コメント

メタカツ先生様ご丁寧な評価ありがとうございます。誠に恐縮ですが私、主食ポコチンは一応プロの作家でありまして小説の基礎は出来ていると思っております。少なくともあなた様のような趣味で小説書いている方よりは…

私はこの作品を通して排泄の持つ行為の意味を上げたのですが理解出来なかったようで…

名前:主食ポコチン先生


寅ノ助はいたってマジメである。しかしメタカツからはさらに批判メールが送られる…こんな事を夜中繰り返していた…この時間が寅ノ助にとって心休まる時間であった…携帯小説を書いているときだけは文豪、新渡戸寅ノ助から解放される至福の時である…




翌朝


寅ノ助はいつものように7時に起床し浴衣からスーツに着替えリビングに向かう。


「おはようございます」


「うむ…」


リビングにはすでに食事が用意されお手伝いさんが立っていた。いつものように無言で食べる…寅ノ助は食事を終えると歯を磨きヒゲの手入れを行う。そして8時が過ぎた頃自宅をでる。


「いつもの時間に帰ってくる」


「はい、いってらっしゃいませ」


新渡戸寅ノ助は芥川賞授賞作家であり現役の京都大学の教授でもあるのだ。毎日京大にて講義をする。主に文学と心理学であるのだが…正直寅ノ助の講義は人気がない、眠くなるのだ余りにも難しすぎて…京都大学の学生さえも理解に苦しむ講義である。今まで挫折と言うのを味わったことのない学生らはこの時初めて敗北感を知る…


世の中には上には上がいる天才がいるのだと…


そしてこの頃京大ではある事件が話題になっていた…


「今度は佐々木がやられたらしいぜー!」


「え〜佐々木君が?これで5件めじゃん…京大に何か恨みがあるものの犯行かな?」


「さぁな〜でもリンチなんて卑怯だよな〜………あっところでさっき新渡戸の講義だったんだけどやっぱ理解できん!芥川賞かなんか知らんけどわかる講義してほしいよな〜」


「……ふ〜ん…そうなんだ…小倉君夜道には気を付けなよ…」


小倉と言う男は笑って帰っていった。小倉と話していた女性…岩井ゆきと言う。先程まで笑顔で話していた彼女であるが今は冷徹な悪魔のような表情をしている…そして誰にも聞こえないような声で呟いた…


「私の寅様…侮辱するやつは許せない」…っと。

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