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冒頭だけの物語

異世界の始まり

作者: クサラ

プロローグ とある少年たちの出会い





親愛なる天国のお父様お母様


「急げ!!走れ、走るんだぁぁあああああああっ!!」


天国は快適ですか?それなら幸いです。


「もう走ってるよっ」


もし見守ってくれているのなら・・・


「……もっと速くだ!」


……………………………………助けて下さいっ!


「これでも殆ど飛んでるようなもんだ!!」


只今、私は異世界(だと思われる場所)にて


「それでももっと 速くだ!」


花梨とさっき会ったばかりの2人の疫病神(たぶん異世界人だと思われる人)と一緒に…


「そうしないとあのエターナルアースブリザードが直撃しちゃうんだよ!」


 全力疾走して……


「この期にいたっても厨二発揮とか……すげえっ……さっき黒歴史作ったばっかだってのに……

砂嵐をそんなふうにいえるなんて…………憧れるぜッ」

「うん、駄目だね。この2人……早くなんとかしないと本当にまずいかも……」


すごく大規模な砂嵐から逃げております。

 

……………ワタクシの冒険どーなってしまうのでしょうか?







◆◇◆◇◆◇◆◇◆








事の発端は学校の帰り道であった。


いつも通り周囲を警戒しながら幼馴染と一緒に通学路を歩いていた。そうしたらいきなり周りが光りだし、びっくりしていると体が光に包まれ、気付いたら、ここにぽつんと立っていたという次第である。

そして現在……



「迷った……」


「しかも熱いって言う2重コンボっていうね。これなんなんですかぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 


東浄桐は思わず呟いた。いや、絶叫した。そう、砂漠の真ん中で。


 暑い。


 とてつもなく暑い。見渡す限り砂、砂、砂。少しの間なら良いが、かれこれ1時間くらいこの景色を見ているので、目が痛くなってくる。

 しかも、それと同時に遭難中である。早くも東條の気は参り始めて居た。再びため息をつきながら、周りを見渡してみるが、砂以外はいかにも乾燥に強そうな植物が少しばかり見えるだけで他には何も見当たらな……いや人がもう一人いた。


 東浄の幼馴染である少女、西園寺花凜である。


 彼女とは、すごく長い付き合いとなる。


というのも、東條は、ある事情があり、孤児院に預けられて居たからである。そこに花凜も居たという訳だ。同学年である彼女とは、気が合い小さい頃はよく一緒に居たものだ。まあ、中学に入ってから徐々に離れていったのだが。でも、一緒の孤児院に居る以上、家族のような関係だ。


一緒に聞いてみたところ彼女もあの不思議な光に包まれ気付いたらここに居たそうだ。ああ、大変だなあ……と他人事のように思いつつ観察する。孤児院で共に育った身ではあるが、改めて見ると美少女だなぁということを意識させられる。


 まじまじと幼馴染の事を見ていると、気のせいか、東浄には耳をふさいでいる彼女の顔が少し赤くなっているように見えた。

 大丈夫か、日射病か?と東浄が聞こうとしたつぎの瞬間、



「だからねぇ……道に迷ったからって大声出さなくてもいいでしょ!!」



すごい剣幕だった。


だから、東浄もすぐにすごく怒ってらっしゃるようだ、と理解した。幼馴染の少女はとてもノリがいい反面、とても怒りやすいのだった、と動揺している東條は思い出した。


嫌な予感がする東條は逃げようとする。



 だが……



 刹那、東浄は勢いよく地面突き刺さった。いや、正確には花凜によって、砂に頭から突き刺さるように投げられた。幼馴染様は万能で、柔道も巧いのだ。


 砂に上半身が埋まって居る東條には、砂の中から聞いたのでよく聞こえなかったが、花凜が、「じろじろ見るなんて恥ずかしいじゃない、」といっているように聞こえた。小さい頃から、一緒だったのに恥ずかしいってなんだよ、と東條は思った。









       「20分後」


 東浄はようやく頭が冷えた花凜によって引き上げられ地上に舞い戻っていた。



「で、ふざけるのはやめにして、ほんとにどうする?」

「ふざけてたのは桐だけじゃない。……とりあえず1方向に歩けば砂漠抜けられないかな?」

「そうだな、とりあえず北に行こうか」

「うん」

「ええとコンパスは……」



 コンパスを取り出したところで東浄は固まった。心なしか東浄には砂漠の真ん中で北風が吹いたかと錯覚した。不審に思った花凜が「なに?」と言いながら、東浄の右手のコンパスを見てまた、固まった。花音は後に「あの時は私たち青い線が額に出てたと思います。わりと切実に」と語ったという。



 結論から言わせてもらうと彼らのコンパスは使い物にならなくなっていた。


 彼らは知る由もないが、実はこの砂漠にはその昔、地下に近くの火山から噴き出た溶岩があったのだ。それも大変厄介なことに、その溶岩には砂鉄が含まれていたのだ。そのため、砂鉄の磁力にコンパスが反応し、結果コンパスが使い物にならなくなっているのであった。


 日本でも、富士の樹海がそのような状態となっており、年々幾多の行方不明者が出ている。……砂漠を抜けるのにはまだまだ時間が掛かりそうだ、そんな彼らの大変さも露知らず太陽は燦々と輝いているのであった。




 一方、丁度同じ頃同じ砂漠の彼らからそう離れていない場所で現在進行形で遭難している2つの影が存在した。


「あのさ、せっかく冒険者目指してるんだからさ、もっともっとスゲー冒険したい訳よ。そう思わないか、ラーシャは……」

「したいとは思うよ。思いますよ。でも只今、大絶賛遭難中☆なんだよ?まずは砂漠から抜けなきゃ。

冒険者になる前に干死しちゃったら笑いものなんだからね。気をつけてよ、リーシュ。」

「……☆ってなんだよ。☆って……それに、死んだらそれ伝える人居ないし、笑いものにすらならないと思うのだが……」

「ああっ、そうだね!」



 といいながらラーシャといわれた少女は今気づいた様にポンと手を打つ。



「ポンじゃねえよ。ポンじゃ……それ位気付け!」



 リーシュと飛ばれた少年がイライラしたように頭を掻きながらそう叫ぶ。



「はーい、以後気をつけまーす。」

「ほんとに分かってるのか、分からねぇ……それで結局砂漠からどうやって抜けるんだよ?」



 ラーシャがなにか得意げな顔をしているのでそう尋ねてみる、リーシュ。そこでいい笑顔を浮かべるラーシャに嫌な予感しかしない、と思いながらリーシュはびくびくしながら彼女の次の言葉を待つ。



「ジャジャジャジャーン、コンパスでーす。説明しよう。コンパスとはぁぁぁぁぁッッ!! いつどこに居てもぉぉぉぉぉッ!! 方角が分かるスグレモノなのだぁぁぁぁッッ!!」

「ラーシャ隊長、ここ誰も居ないし、1人で説明してもただの痛い人ですよ。お止めください。」

「ヴァァァァァァァカ者がぁぁぁぁぁ! 私は読者の皆さんに説明しておるのだァァァ!」

「分かりました、って分かったから叫ぶのはやめてくれーっ!」



 リーシュの魂の叫びだった。




◇◆◇◆◇◆




「なんのまねだったんだ?さっきのは。」

「そんなのどうでもいいでしょ。自分でも恥ずかしいんだから。」



 どうやら新たな黒歴史ができたようであるラーシャ14歳、中二病にかかる複雑なお年頃なのだった。



「ずいぶんと時間食ったがコンパスの北を目指せば良いか。見せろよ。」



そういいコンパスを見たリーシュとラーシャは固まる。



「コンパスの針がぐるぐる回ってるな。」

「だね」



 彼らには知る由もないが以下略である。



「まさか天変地異の前触れじゃ……この時間帯砂嵐起きやすいし。」

「馬鹿、そんなこというな。本当に起きるかもしれないだろ。」



 あわててリーシュはラーシャの口を塞ぐが……もう遅い。


ゴォオォォォォォォォォォォッォォォォォ


 という轟音が2人の耳に響く。



「何だこの音?」

「なんだろう?」

「何かあっちに砂の竜巻の様な物が……あれはもしかしてもしかすると」

「超大規模な砂嵐だね☆」

「ちっきしょーしかもこっちに向かってきてるぞ。絶対さっきのが原因だろ!とにかく……」

「「逃げよう」」



次の瞬間、2人は勢いよく駆け出した。










 その轟音は少し離れた東條達にも届いた。

 現実逃避をすることになった2人は、近くにあったオアシスで休憩することになったのだ。耳聡く、音を捉えた東條は、何の音だか分からなかったので花凜に聞いてみることにした。


「なあ、何か変な音聞こえないか?」


 東條は、串刺しになったときに入ったのであろう砂を払うためにTシャツを脱ぎながら言った。余談ではあるが、小さい頃から一緒に暮らしていたのでいまさら恥ずかしさは東條には、全くない。小さい頃には一緒にお風呂に入ったことだってあったのだ。だが、花凜のほうはそうでもないらしく花凜は顔を赤くしながら反対したのだが……。



 とてつもなくむずむずした東條は、砂が入ったのは花凜のせいだろ、と言って説得した。結果、花梨が折れたのだった。東條は、小さい頃から見ているのだから、何でそんなに反対するんだよ。とそんな気持ちだった。



「えっ。聞こえないよ。」



 花凜には、聞こえなかったみたいだ。そんなはずは……と思った東條は



「えっ。ほら、耳澄ませよ。聞こえるだろ?」



 と再び問う。近くには東條が砂を払う音が真昼の砂漠に間抜けに響いていた。


「うん。聞こえた「ほらな」桐が砂を払う音が。」

「そっちかよ!!!」



 思わずずっこける東條。



「本当に聞こえないのか? ほら。」



 砂を払うのを一時的にやめる東條。彼も、苦労人である。



「ああ。聞こえた。なんだろう?」

「この変な音……嫌な予感しかしないな。」



 やっと聞こえたようだ。だが、花凜にもなんの音かは分からないみたいだ。そしてこういうイレギュラーな音には厄介ごとが付き物だ。少なくとも、東條は人生経験上そう信じている。そこで、



「あの、あっちの音がするほうから2人走ってきてるよ。」



 花梨は人を見つけたみたいだ。万能幼馴染様は、視力もとてもよいのである。

 砂を払い終わったTシャツを脇において、今度はシャツを払いながら、花梨が示した方に目を凝らすと、東條にも男の子と、それに少し遅れて女の子が走っているのが見えた。


 男の子のほうは、此方に気付いたらしく、此方に顔を向けると、進路を変更して、こっちに向かってきた。男の子とは、言わずもがな、ぼくらのツッコミ役、リーシュである。



「おーい。そこのヒトーっ!」



 何やら、話があるようだ。東條は、金髪蒼眼のイケメン少年君が日本語を話す姿に違和感を覚えるが、意思疎通ができるならまあいいか、と割り切り、返事をするため、手を振った。やっぱその台詞、トカゲ男が言ってください。











 遭難した砂漠で砂嵐からサーシャと逃げていると、2人の人を見かけた。サーシャがフラグと立てて発生した砂嵐が来ていることを伝えるためリーシュは彼らの方へ向かった。幸い彼らも此方に気付いていた様で呼びかけると手を振って返事をしてくれた。


 そして近づきいざ話そうとすると、リーシュは男の子のほうをみて、1瞬びっくりしてしまった。でも、すぐに再起動すると、思わず癖で突っ込みそうになるのをこらえ、自分はリーシュ、遅れているほうはサーシャ、どちらも14歳だ、と軽く自己紹介をする。


 すると、彼らのほうも自己紹介をしてくれた。―男の子の方がキリ、女の子の方がカリンというらしいーどちらも15歳だそうだ。


 黒髪黒目の人なんて珍しいなぁ。ホントにいるんだなぁ。それにしても何でそんな軽装なのだろう、と物思いにふけるが、すぐにリーシュはそんなこと考えている場合じゃない、と思い出し、



「っ!! 実はな……」



 説明としだす。その時、遅れていたサーシャが追いついてきた。まずい、とリーシュは思うが、ときすでに遅し。サーシャは東條を一目見ると


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 と悲鳴を上げたのだった。やっぱりなぁ、とリーシュは思った。自分だって、驚いたのだ。サーシャには、刺激が強すぎるであろう。サーシャはお調子者だが、こういう場面には弱い。案の定サーシャはその場に座り込んだ。


 1方、その状態を引き起こした東條といえば……わけも分からず呆然としていた。



「なあ、どうして悲鳴を上げたんだ?」



 そう言ってサーシャに歩み寄る東條。本人には悪気はなさそうーというか自分の状態に気付いていないようだー座り込んで動こうとしないサーシャを気遣ったのだろう。 

 だが、当然サーシャは器用なことに大変器用なことに座ったまま飛びのく。再び東條は呆然とする。本人にしてみれば余計訳が分からない。



「なあ。何で飛びのかれるんだ?」



 自分では分からないのか、花凜と名乗った少女に聞く桐。すると花凜は可哀想なものを見る目で桐に真実を教えていた。



「……桐、上半身裸。」

「AAHH!……盲点だった。イヤナヨカンッテコレカヨ!!」



 なんだか、桐が奇声を上げた。どうやら、本当に気付いていなかったようだ。

 なぜ気付かない!と叫びそうになるが、必死で堪える。初対面の人に怒るのは躊躇われるからだ。

 そして今更、本当に今更、串刺しになった影響で着衣の砂を払っていたことを思い出す東條は急いでシャツとワイシャツを着直すのだった。


 着直すのを待ってやきもきしていると、花凜が「あんなふうに所々抜けているけど、悪い人はないんだ。桐がごめんね。」と謝ってきた。



(ああ、この人もパートナーのことで苦労しているんだなぁ。)



 と先ほどのサーシャのテンションを思い出しながらリーシュはそういう風に思った。

 そう思うとリーシュは花凜に何か連帯感の様なものが芽生えるのだった。




 桐がしっかり服を着たことを確認しリーシュは改めて口を開いた。


「気を取り直して説明するが……「そんな暇ないでしょ!」そうだった。では、単刀直入に言うが……この砂漠特有の追跡型砂嵐がそこまで来てる。……逃げろ!!」



 途中ですっかり元気になったサーシャの催促が入ったりするが、説明を終える。東條は、



「砂嵐ィィィ!?嫌な予感パート2かっ!しかも聞いてたらお前らが原因じゃねーか!こっちまで被害をもってくるな!」



 と一昔前の激おこぷんぷん丸(知らなければ、真っ赤に起こった人も と置き換えてもよい。スーパーなサ○ヤ人の条件)も真っ青なテンションで怒鳴ろうとするが。

 そうこう言っている間に

 


  ゴオオオオオオオオォォォォォォォオォォォォオォォ



 という轟音が彼ら全員を包んだ。そのため、東條は言う機会を逃してしまった。とりあえず、一緒に逃げたほうがいいと思ったリーシュが



「やべ。もうそこまで来てた。一緒に逃げよう。巻き込まれたら一巻の終わりだ。全員一丸とならないと……死ぬぞ。はぐれても駄目だからな。」



 と、言ったがリーシュの言葉に頷くより先に、3人は駆け出した。



「おい、置いてくな――‼

……そういや、なんで砂嵐に追いかけられなきゃならないんだ。」



 置いて行かれたリーシュが叫ぶ。その後、リーシュが小声で付け足した言葉に東條と花凜は同感だった。まったくの同感だった。そして、東條は天国の両親に無事を願うことにした。



 ともかく、これで冒頭に戻るわけである。












1章  剣と魔法の世界





「ここが芸術の街ラースベルかぁ。」



 口から感嘆の息が漏れる。


 石造りのきれいな建物たちが東條たちを出迎えた。

 あのリーシュたちとの電撃の出会いから、すでに数時間たっている。砂嵐にはあの後、追いかけられ続け、追いかけられてるうちにこの街を見つけたと言うわけだ。街に向かうにつれ砂嵐は去っていった。  


リーシュたちはこの数日まともな食事をしていない様でこの街に着くや否や市に向かっていった。この町の名は看板が出ていた。この一日でどっと疲れた東條は、町の広場の隅にある手頃な石に腰をかけた。



「いやーー走ったねぇ。」



 花凜がのほほんと話しかけてきた。花凜とは長い付き合いになるため、遠慮は無用だ。俺は思っていることをそのまま口にすることにした。



「本当だよまったく。何で俺たちがあんな目に会わなくちゃいけないんだよ」

「まあまあ。そのおかげで無事に街に辿りつけたんだからいいとしようよ。」



……言い返せない。たしかに、あの砂嵐のおかげで、この街に辿り着けたことは事実なのだ。



「それはそうだけど、1地度ガツンと言わないと気が済まない。」

「そうだよね。そこは同意する。」



 珍しく花凜が同意してくれた。普段おとなしい花凜(俺に対しては除く。花凜はなぜ俺には怒るんだろう?)がそんなこと言うなんてよっぽどあの2人に怒っているのだろう。それはそうか、命の危険に逢っているんだからな。だがこれは、花凜公認ってことだ。よし、思い切り言おう、と思った所で、



「でもね、何事にも限度って物があるから気をつけてね(ニコリ)」



 と、とてもいい笑顔で釘を刺された。その笑顔が怖くなった俺は、あんま俺からは怒らないようにしよう。それと花凜を怒らせないようにしよう。と心に誓った。そんな俺は



「はい……」



 と答えるしか選択肢はなかった。



「なあ、すこしいいか。」

「なに?」



 少し気まずくなった俺は話題を変え、少し気になっていたことを花凜に聞いてみる。



「ここ地球じゃないよな?」



 先ほどから思っていたことだった。落ち着いて周りを観察してみると明らかだ。日本、いや、地球かどうかすら怪しい。なぜなら、地球にはないような武器屋、防具屋や道具屋が通りには、沢山あったのだ。そして極め付きは、広場に面している魔法屋である。地球には魔法なんてない。


 いや、あるかもしれないが、少なくともあんなおおっぴらに見せるものではない……と思う。花凜も魔法屋を見て同様の結論に達したらしく、



「そうだね……桐の言う通りかも。」

「Ozz」








入れたいネタ(これよりさきは言葉の通りです)



「ね、そこの兄ちゃん。」

「なんですか?」

「なにやら物騒なことを話すのは自由だけどさ、その石神聖なものだから座っていると怒られるよ。どいたほうがいいよ」

「「すみませんでしたッ!!」」



閑話休題、なぜこんなことになっているのかというと時は4時間ほど遡る。


東條という人間を一言で表すと両極端な人間である。不幸と幸運がごっちゃ混ぜになって襲ってくるといえばいいか。コンビニで残り1個の人気アイスを買えたかと思えば速攻に側溝に落ちる。一万円落としたかと思えば、目の前で電柱が倒れ、賠償金を手に入れる。  格安バスに乗っていたらいつの間にかバスジャックされるということはザラである。そして今、幼馴染と一緒にわけのわからない世界で、砂漠に迷い、砂嵐にまき込まれ、そのおかげで町に着くという不思議体験までしている。

(今までいろいろ体験したけれどぉ~まさかの異世界ってそれはないでしょぉ~~もう嫌なのよぉ~~)

……人間追いつめられるとオネエになるのだろうか。


ここにきてから東條の苦労人度が増しているような気がするのは東條だけだろうか?

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