敵が来た!
はい!Gヘッドです!
いや〜。ファンタジーってムズイですね。と思うこの頃。
「貴方にはこの世界を救ってもらいます。論次様」
は?何を言っているんだ?
「いきなり救ってと言われてもわからないでしょう」
そりゃそうだ。
「だから私めが説明させていただきます」
いや、だから何故そうなる?
「まずはこの世界からでございます。この世界は物語世界と呼ばれるところです」
「そこまではさっき聞いた」
「この世界に住む者は”話”です」
「話が住む?」
「ええ、そうです。例えば浦島太郎と言う話は知っていますか?」
「ああ。まあ知っている。あれだろ?亀を助けて竜宮城に行って、帰って玉手箱を開けておじいちゃんになる話だろ?」
「はい。そのような話が生きているのです」
生きている?話が?話は形なき物だぞ?
「私の名はノルン。運命の女神にしてタロットの大アルカナのカードの一つ」
「それがどうした?」
「わかりませんか?私は女神なのです。神というのも、また、神話にいるも者。つまりは物語にて生まれた者。その者が今目の前にいるのですよ」
「そういえばそうだな」
「なんか反応が薄いですね。もっと驚いて欲しかったんですが」
「お前堅そうなタイプだと思ったけど意外とお茶目だな」
「よく言われます」
「それはそうとどうやって証明できるんだ?」
そうである。女神と言ったって証明ができなきゃ意味がない。
「何を言ってます?私の力は証明済ではないですか」
「え?証明済?」
「ええ、だって私が貴方の運命を曲げました」
運命を曲げる?
「貴方様の生きる世界とこちらの世界は別のものです。本来なら決して来ることは出来ない。しかし、私の力を持ってすれば世界の理を無視するなど容易いこと」
「よし、じゃあ早よ僕を元の場所にに帰せ」
「ええええ?」
「いや、だってそうだろう。勝手に連れてこられて、世界を救ってくれだの。訳が分からなすぎる」
「しかし、私も無理なんです」
「何でだ?」
「私の力は燃費が悪いんです」
「……は?」
「いや、流石に女神であっても運命をねじ曲げるのは少々大変で……」
「今さっき容易いとか言ってなかったか?」
「はて?何のことでしょう?」
こいつ!なんてやろうだ!
「それはそうと今は少し危ないですね」
「何がだ?」
「今、私たちの近くに敵がいます」
「敵?」
「ええ、敵です!」
なんかRPG的な感じになってないか?ここは物語世界じゃなくてゲーム世界なんじゃないのか?
俺たち二人は木の陰に隠れようとした。
「お前なんとかならないの?せめて本の中に戻って」
「嫌です!あそこは狭いのです」
「いや、でも見つかる」
「しっ!来ましたよ!」
ノルンがそう言うとしぶしぶ二人で木の陰に隠れた。……胸が当たる。柔らかいな。
すると誰かがこっちに近寄ってくる。
「誰だ?誰かいるのか?」
男の人である。
「しっ!静かにしててくださいよ。論次様」
いや、わかっているからお前が黙れよ!と言いたいが黙っておく。
しかしあれは誰なんであろうか。
俺たちが静かにしていると男は去っていった。
「なぁ、ノルン。あいつは誰なんだ?」
俺はノルンに話しかける。
「ええ、あいつはグリム童話の”おやゆびこぞう”です」
「おやゆびこぞう。確か頭が凄くきれている小さい奴だろ?」
「ええ。あの男の人はロボットです。本人はそのロボットの中にいます」
「でも何で敵なんだ?」
「それは長くなります」
「じゃあ、いいや。聞かない」
「きいてくださいよぉ〜」
ノルンは僕の手を握ってきた。
「わかったから。離せ!そして話せ!簡潔にな」
「わかりました。それはそれは昔の事……」
そうですね。人物紹介でもしましょうか。
白坂 論次
しろさか ろんじ
いかにも主人公って感じの青年。現在高校生。意外に運動は出来ないが勉強はできる。
趣味は読書。
能力は大アルカナの神や精霊などを呼び出して力を使うことができる。ただし、その能力を使用している間は体力を削られていく。
もう一つの能力はいい感じにスケベシーンに遭遇する。通称、エロの召喚士