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若菜の海  作者: 白木
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帰還

 そして、第二福栄丸の船頭夫妻が戻って来る日が近付いて来た。佐伯が上機嫌で須崎に語っていた。須崎は、北海道をあちこち飛び回り、エリア長と言う重任を感じながらも、佐伯から声が掛かり、自宅に呼ばれた。


 佐伯の顔は少し重かった。どうやら又若菜が登校しなくなっているようだ。勿論そう言う私的な事で須崎を呼んだ訳では無いが、女将からも頼まれている事、若菜とは後で話をしようと思う。佐伯の話題は、戻って来る、秀一、理恵夫妻の事であった。


「色々帰国にあたって順調に進んでいるし、電話での応対も可能になった。勿論あちらでは録音もされているし、通訳が居るから会話は筒抜けでもあるが・・」

「はい・・」

「秀一と言うか・・船長である第二福栄丸が、今後ニシン漁から撤退すると言う事だ」

「え?ニシンは、佐伯さんが所有される3隻の漁船の主要漁だったのでは?」


 須崎は驚き、質問するが、


「ああ・・わしはニシンでここまで来た男だ。所有している10隻の中で、3隻は最新鋭の船で、大きく漁獲量も非常に多い」

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