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激震
「それでな、安藤君だが、根室営業所長としてこちらも任命したい」
「あ・・あの、安藤は東京に戻すと言う事で、自分が呼んだのですが・・」
穏やかだった玉山だが、一瞬に厳しい表情になる。
「あのな、そんな個人感情がまかり通ると思うのか?君が、出来もしない約束をして、数年の内に本社に返すって約束で安藤君を呼んだのかどうかは知らないが、それは思いあがりだよ?人事権は会社にある。当然だろう?」
「はい・・その通りです」
「うん、ふふふ」
途端に恵比寿顔に戻る玉山・・この切れ者には、到底須崎では歯が立つまい。
「よし!君の行動に期待してるからね。屋鍋君が今からどう這い上がるかも見ものだ。彼は決して仕事の出来ない人物では無いと俺も思っているからね。ただ・・君が彼を使いこなせるかどうかも見ものと思っても居る」
あれ程やりあった屋鍋・・顔も見たくないが、今度は自分より職制上下になって、この男を使いこなせるのかまで今度は黒田社長は、須崎の値踏みをしているのだ。しかし、もう三鍋と約束した半年も迫る。




