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若菜の海  作者: 白木
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改革

 驚き、見上げる安藤に、


「俺は、営業所全員を今敵に回している。安藤・・お前にクッション材になって欲しくてな、それでこちらへ呼んだ。君次第で、東京本社へは何時でも戻れるさ」


 あ・・安藤は、須崎が自分の事情など全く考えても居ないと思っていたが、不明だった事を悟った。その晩「菊野」に二人で飲みに行くのである。既に、須崎と、まーちゃん、今ちゃんとの関係は修復されて、前より親密なものになっている。それに既にREC㈱の専属契約船の漁師達であった。それに、とうとう、第二福栄丸の船長夫妻が来月戻って来るのだ。彼らの表情は明るい。きっと、寂しい思いをしていた若菜も救われるだろう。菊野の顔も明るかった。安藤も、この店がすこぶる気に入ったし、気の合う須崎と一緒に仕事が出来るのを嬉しく思っていた。

 この間、後2日に迫った、REC㈱内では、君成社長が、北海道の進藤から仕入れた情報に、表情を強張らせて居た。それは、想像でしかないものであるが、妙に動きがおかしい。

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