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帰郷
その中で、最も須崎と仲が良かった安藤誠二と言う同年齢の主任が居た。須崎は、彼に突然こう言ったのだ。
「安藤、俺と一緒にやってくれよ、向こうで」
「えっ!根室へ?」
仁科の顔がぴくぴくとして、営業部員の顔が凍った。どんな権限でもって既に部署の違う所への越権行為をし、且つ、人事権も無い男が・・そう言う無言の怒りであった。顔に仁科の既に出ているが、須崎はそんな事は百も承知とばかり、
「根室は大改革をする。つまり、北海道支社の最重要営業所として今後やってくれと言われている。安藤、俺は君となら一緒にやれると思ってるのさ。考えてくれよ」
ざわざわとする営業部を後にした須崎は、玄関に。そして受付に真っ直ぐ向かった。
視線を避けようとする三鍋と、対照的に、にこにこと彼を見つめる新田がいる。須崎は、
「三鍋さん!」
「え・・はい」
少し大きな声で呼ばれた彼女は、避けていた視線を須崎に向けた。




