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帰郷
「ねえ・・どうしたの?昨夜、須崎さんと会ったんでしょ?」
新田が聞く。三鍋と須崎の視線の先にある違和感を、彼女は感じたからだ。
「ううん、何でも無いわよ」
「そう・・」
新田は、それ以上はもう聞かなかった。
須崎は黒田の常務室で、こう言われた。
「根室営業所の事は任せた。君、大胆な刷新してくれよ。今のままではいけない」
「はい・・」
須崎は、しかし現状を打破出来る自信が無かった。昨夜の三鍋の言葉も心に引っ掛かっていたからだ。黒田常務は、更に言う。それは須崎の戸惑いを見てとっているかのように、
「思い切って、首を切っても構わんよ。言う事を聞かない奴は、根室営業所と言えども今からは異動も有り得る」
「え・・」
黒田は笑った。




