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若菜の海  作者: 白木
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変化

 熱気がどうかと言う佐伯の質問だった。仕事で相対する佐伯とは全く異にして、好々爺のようなおだやかな笑顔であった。成る程・・無趣味な彼にとっては、若菜が難しい年頃で、又極端に近い人見知りも含めて、菊野の女将に願われている意味が少し分かった。須崎には自然と笑顔が似合う、好青年的な雰囲気があった。強情で曲がった事が出来ない性格と、無駄な話はしないと言う事も、菊名の女将にとっては信用を得たのであろうか・・佐伯は須崎をそう見ていた。何より若菜が、この男に関しては警戒心を持っていない事に驚きを感じて居た。

 そんな佐伯の心情など須崎には感じる筈も無いが・・。


「会長!この鳩見てもらえませんか?」


 若い競翔家が、佐伯に鳩を差し出した。20代前半の青年であるが、若菜は須崎の後に、すっと下がった。若菜が人嫌いなのが分かる所作であるが、青年もそんな事はとっくに承知しているようで、若菜には一瞥もしなかった。顔立ちも良い、菊野に似たうりざね顔の可愛い少女であるが、精神的な何かがこの娘に隠されているのだなと須崎は感じていた。

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