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変化
菊野は、一枚の封筒を須崎に差し出した。それは、前社長と菊野2人と真っ白い毛布に包まれた赤ん坊の写真であった。
彼女は言う。
「名前は若菜・・今さーちゃんの所の養女になってるの」
「え・・あ、あの・・」
言いかけた須崎であったが、
「御免ね、詳しい事は聞かないで。でも、それが一番この子の為になるからと決めた事なの」
そして続けて・・
「この娘・・貴方は2度顔を会わせたと思うけど、初めてなのよ。この娘が知らない人と言葉を交わすの。その話を聞いて、やはり何か私にはすーちゃんには感じるものがあるのよ。だからここからはお願いがある。それも、到底貴方にとっては、受け入れ難い事であり、何を言ってるんだと思われるだろう事も承知・・この娘を守って欲しいの」




