397/399
最終章 夢に
「放鳩も終わった。北竜号・・他、錚々たる根室の長距離エース達じゃきん、成功間違い無し。沢木杯の受賞は、北が取るじゃろ、わはは」
「ふふ・・妻鳥オーナーの言葉を聞くと、全部ポジティブに聞こえて安心します」
美弥が笑った。若菜もにこりとした。
「ええのう、若菜ちゃん、それよ」
「え?」
妻鳥に言われて、きょとんとする若菜だった。
「その自然な笑顔・・以前の若菜ちゃんからは見えんかった。ほんで、今の優、麗華にもそれが無かったんが、自然に出るようになった。わしは、心の変化と感じて嬉しいんよ」
美弥も大きく頷いた。
「そうですね、そうですよね。私が一番身近に居て、若菜ちゃんの笑顔がもう普通に感じてました」
若菜が嬉しそうに頷いた。妻鳥は続けて、
「何やら、壮大な計画で動いとるようじゃきんど、WUWのプロジェクトが、わはは」
「WUW?」




