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季節
香月は、窓外を静かに見やった。共に競翔界への改革を誓った、*磯川は既にこの世に無し。又、香月系を一番託せる、*芳川浩二も没した。熱く語り合った、*佐野、*浦部、そして、四国の地にあって、尊敬する競翔家達も次々と没した。故沢木 純に導かれるように、様々な人が動いていた・・それは過去になってしまったのである。そして、誰よりも妻鳥はその意思を継ごうとしている。ああ・・神様・・私の余生において、再びこの天才少女を授けて下さったのか・・その眼には熱いものが込み上げていた。
若菜は言った。
「香月博士・・私は、お手伝いしたいと思います。そして、沢木さんと言う方を知れば知るほど、素晴らしい方だったと感じますし、多分、三木 優君、妻鳥麗華ちゃんには、その血脈が流れていると思います」
「え・・?」
香月は、故沢木 純の孫が居る事を知っては居たが、会った事も無かった。そして、未だ幼いだろう、その子達を若菜が見切っている・・?
「一度お時間がある時に、会って見て上げて下さい。私ともうお友達になってます。ふふ」
若菜の言葉の先は、香月も分からない。
*白い雲




