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季節
「まあ、遠慮しなくて良いのに・・神威号系統は素晴らしい鳩達ね」
「ええ・・祖父が、神威号と言う鳩を誕生させてからは、香月系の更なる一本の系統になるって、大事にしてましたから」
「分かるわ・・流石に未来志向で次々に、英俊な鳩達が誕生してくる。靖男君は、競翔を今後したいの?」
「いえ・・既に、僕の所は、親父が鳩舎も壊したし、周囲には住宅も建ち並び鳩を飼う環境には無かったんです。祖父が生きている間にはそんな言葉も無かったんですが、亡くなった途端に、鳩なんて飼わないでって声が聞こえて来て・・父は、それが辛かったんだと思います。鳩には興味は無かったけど、鳩を見て子どものような眼を親父はするんだよなあって僕に父は良く言ってましたから、そんな祖父を好きだったと思います」
「そう・・」
靖男が、この時・・
「僕、早稲田大学を受験しようと思ってます。そして、大学に受かったら、ここで鳩の世話をさせて頂きたいなって思って、今日来ました」
「大歓迎よ・・靖男君なら、私も喜んで」
「良いんですか!」




