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光芒
「素晴らしいお部屋ですね・・」
美弥が言うと、洋司がにこっとした。その笑顔を一目見ただけで、彼の人柄が良く分かった。洋司が言う。
「このデザインは、娘の夫・・中ヤデザインですわ。布とか、飾り付けは、ここに居る恵比寿さんが、やってくれました」
「格調高く、非常に入室した者を安堵させるような落ち着いたものを感じます。一点、一点は奇抜ですが、その融合は、流石と思える組み合わせですね」
恵比寿が、美弥に言う。
「美弥さんだから聞くきんど、何をイメージしたと思う?」
「菊・・ですか?それも白・・誠実、真実を追求したものと感じましたが・・」
「ふふふ・・美弥さんのその才能とは、沢木グループに絶対必要なもの、そして、それを感じる貴女じゃきんこそ、うちはお迎えしたんよ。正にその通り。故沢木 純が追い求めたものは、その原点こそ、静寂の杜にあるんよ。それを感じて貰うただけでも、今日招いた甲斐がある」
「あの・・私は、㈱REC社長の妻である身です。夫の為に何かしたいと、やって来ました。でも、本来、沢木グループとは相容れない部分もあるのでは無いのでしょうか?」




