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若菜の海  作者: 白木
353/399

目標

「オーナー、仕事と趣味のメリハリは、つけてつか」

「いやあ・・ははは。済まん、済まんなあ」


 少し厳しい顔を演出していたが、ぷっと吹き出す未優。童顔のように笑う大きな体のとりの仕草が可笑しい上に、亡き父に益々最近は血の繋がりこそ無いものの、似て来たなと思ったのである。そのやろうとしている事に、何らケチをつけるつもりも無いし、香月博士が動いているプロジェクトである。その意義は、個利益しか誘導しない日本の政治家より、平和友好的に民間レベルのこの動きこそ、非常にこれから大事な外交になって行くと思うし、HZK㈱、KS食研㈱等、一緒に動き始めていると言う事は、趣味に留まらない、ビッグプロジェクトである事は間違い無いと思っている。ただ、とりは本当に純粋な意味で動いている。それには彼女自身も嬉しく思っていたのである。


「ほんで、お義兄さん、若菜ちゃんをどうするん?」

「ほれやきんどのう・・若菜ちゃんは香月博士も認めた、天分のある競翔家じゃと言う事よ。わしもそれは感じた。奥ゆかしく寡黙な娘さんじゃが、その内に秘めたる天分は、義父に匹敵する程じゃと言うとるわ」

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