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変化
「馬鹿野郎!そんな一時の個人の感情でどうなる話じゃ無いんだよ。国会議員すらどうにか出来ない問題だし、それだけ第二福竜丸は悪質な違法操業をした。莫大な保証金を払えないから、今まで解決出来ていないんだ。禁固20年の刑が課されているんだぞ。息子夫婦には」
項垂れる須崎・・
「はい・・」
「余計な事は言うな、もう触るな。事態を更に悪化させるだけ。良いか?余計な事はするんじゃ無い」
木下は念押ししながらそう言い切った。須崎は、眠れない夜を過ごすのだった。何か方法が・・だが、所詮なのであった。何が個人で出来ようか。それは既に国家間の問題であって、どうにも出来ない事であった。
翌日、木下は佐伯の所に菓子箱を持って訪問していた。
佐伯は、
「木下さんよ。これからあんたんとこどうなるんかな・・夏であんたも引くらしいな」
「はい・・」




