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目標
とりの両眼から、ぽろぽろと涙が毀れた。何度義父から怒鳴られただろう。馬鹿たれがと言われただろう。しかし、その奥底にある、無常の愛・・誰もが知っていた。だからこそ、今沢木グループと言う礎があり、HZK㈱にも、KS食研㈱にも、その根があるのだ。その沢木が描いた競翔界の行末を、どうしたいかと、とりは思ったのである。
若菜は深く頷いた。
「有難う御座いました。私の指標が定まりました」
香月はにこりと笑った。
「私も既に、70代後半(*設定は、変えております)余生は、S工大のまま終えるでしょうが、それでも私の鳩博士としての位置は変える事はありません。しかし、この根は、やはり連呼して皆様にお届けしたい。その計画を妻鳥さんが、実行されようとして居られるのです。そして、これは国、団体を超えた流れになると信じております。数十万羽の巨大レースが開催されるだろう・・事を夢見て、動き始めたのです」




