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若菜の海  作者: 白木
336/399

目標

「まさか・・四国から、5羽目の竜・・いや・・川滝系と、夜風系は決して両者が混じ合う事の無かった互いのいぶし銀のような練り上げて来た血統。しかし、*川滝さんの類まれなる飼育と、*大座礼号とはまさしくこのような鳩だったのでしょう。ああ・・時代が変化しても、競翔の世界には、やはり輝き持った大星が出現する。競翔結果だけではない、これが競翔鳩という失ってはならない至宝なのです。我々は、競翔というものを失ってはなりません」


 香月の絶賛に、とり、美弥、若菜の目頭は熱くなった。この香月博士がこそが、競翔界に存在したからこそ、この時代にあっても未だ何か希望が見える気がしたからだ。


 そして、10時になった。とりから、告げられた決心・・それは参加者を驚かせるのであった。


「皆さん、ここへ集まって頂いたのは、沢木グループとして、いえ・・*故沢木 純がやり遺した事を実行する時が来た事を、お伝えする為です。賛同を貰う必要は既にありません。これは、私個人の財産を投げ打ってもやり遂げるつもりです」


*閃きの中で

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