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目標
「でも、分かるの・・美弥姉さん、香月博士、妻鳥オーナー、じいちゃん、お母さん、お父さんの心・・それは、人間故の苦悩・そして、人の考えは変化する。私が感じたのは、真っ白な心の人たちの姿。この鳩・・もっともっと成長出来るわ。そして、私が馴致して見せる。美弥姉さん、この鳩には生まれ持った高い才能と能力がある」
こくんと美弥は頷いた。香月が続けた。
「以前、このとりさんが、自分の妹のように見守って来られた佐々木由香里さん、いや・・その女性より遥かに強い感性を持たれていると同時に、若菜ちゃんには、強い自己抑制出来る理性がありますね・・では・・貴女にはこの北竜号の気持ちも分かりますね?」
こくんと若菜は頷いた。
「北竜号と言う名は、生まれた時から授かった才能だと感じていました。恐らく、超長距離鳩として類まれなる才能を持って生まれた鳩・・けど、私は・・私は・・・」




