決意2部
環が口を押さえた。余りに突飛な発案。そして、何で今更そんな冒険をするのかと言う若菜の気持ちが追い切れないからだ。競翔家ではない未優も分からない。
「ほんで、その決心は固い見たいじゃ。若菜ちゃんのじいちゃんが、びっくりして今神奈川リゾート飛んで来てその真意を図ったんよ。わしはな、義父のような天才競翔家では無い凡人じゃきん、実際ほなん事分からんし、助言も出来ん。きんど、若菜ちゃんには見えたんじゃろ、北竜号が、真の北竜号として生まれ育った稀有の魂であると言う姿。ほんで・・若菜ちゃんは、沢木グループに入社したいとも言うて来た」
「え?だって彼女は、佐伯海産㈱の跡継ぎになるんでは?」
環が言うと、
「いや・・若菜ちゃんはイギリスに行って経済学MBAを取得したい。きんど、その後は、この合同鳩舎構想に賛同したきん、自分を雇うて欲しいと言う事じゃ。何で経済学修士を取ろうと思うんかも、この合同鳩舎の管理をしたいんかも分からん。けど、わしはええよと言うてしもうたわ・・ははは」
「呆れた・・それオーナーとして、独断専行で、完全に私心であり、やってはならん事よ?義兄さん・・」




