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決意2部
現在沢木グループの常務となっている、菊池 實が恵比寿に聞く。大手商社から転職して、見る見るうちに頭角を現し、幾つもの海外向けプロジェクトを完成させた小柄な人物だ。恵比寿は、沢木グループの取締役の一員であるが、自ら独立した恵比寿ブランドのオーナー。この発言の意味は、この沢木グループ本部内に、何を提案しようと言うのかを聞いているのである。
「神奈川リゾートも、静寂の杜と同様にテーマを持った老人施設ですきんど、こちらに、文化を持つテーマを提案したいと思うたんです。そして、それは、今開催中の神部部長も提案している漫博や、食育とも合致したものじゃと思うた次第。そして、この美弥さんの持つ感性こそ、故創業主である沢木 純氏がやりたかった芸術村創生にも繋がると思いました」
お・・小さな声が漏れた。佐々木洋司食品部門代表常務である。
「それ・・恵比寿さんの提案にわしは、賛成したいと思います。逆にわしからも提案させて貰うてええですか?」




