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成長
「主翼、副翼・竜骨・・がっちりしていて、けど、それだけでは無く、この深い濃い柿眼の奥に、この子が持っている凄い闘志を感じました」
「おう・・」
とりの顔が、驚きに似たものに変わった。そして・・
「その闘志っちゃ、この鳩の気性を感じた言うんじゃの?若菜ちゃん」
しかし、若菜は首を振る。
「いいえ、この子は頭の良い子、自分で激しい気性を抑え込む力があると思います。多分・・私の北竜号のような鳩」
「聞かせてくれんか?わしは、今現役の競翔家では無い。鳩を飼える環境では無いきんど、この合同鳩舎には並々ならん決意と、投資も含めてサポートして来たし、これからもサポート続ける予定で、私費を投じて来たんじゃ」
「オーナーの私費で運営されているのですか?」
今度は若菜が逆質問。
「ほうじゃ。勿論委託費は貰うし、競翔に参加する費用は貰っとる。きんど、この鳩舎併設の種鳩鳩舎群は、白川系、香月系、川滝系、夜風系・・数々の血統を更に絞って厳選した鳩を少数だけじゃきんど入れとる。その中に、小谷系、佐野系も新たに加わった」




