成長
「はは、とりさん、何ぞいな・・あれ?君、とりさんにも目つけられたんか?はは、おもろいのう・・何かの縁じゃのう」
それから、沢木グループの関係、とりと呼ばれる総帥と、ヤマチューの関係など、短い時間に聞いた神部は、やっとそのおおまかな繋がりを理解した。
「ほんで、神部君言うんじゃの?何をどう感じた?ヤマチューの作品に」
とりが聞く。自分には、作品の良さが分からんのよと、また失礼な言葉を平気で吐くとりに、再び神部はむっとしたが、ヤマチューはにやにやしていた。
「あの・・大変オーナーと山下さんのご関係ですから、俺には今の言葉は失礼だと感じましたが、・・この作品には、空と大地を感じました。そして、芸術とはこう言うものだと俺は、生意気で分かったような言葉を吐きますが、今感じたんです」
「わははあ・・空!大地!おい、ヤマチュー・・初めてお前の作品を見たもんが、こんな評価をしとる・・お前、どう答えるんじゃ?」
とりが豪快に笑った。ヤマチューは、色紙を女性スタッフに持ってこさせて、神部に、
「神部君、ちょっと思うた事なんでもかまへんきん、わしの作品に感じた、君が感じる、とりの・・いや、このおっさんの事で無いど、鳥類の鳥・・イメージで描いてくれんか?」




