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成長
「はは・・ほやって、未優ちゃんに意図あるやろがい、そら美弥さんじゃって神部と同じように思うとる筈じゃわ」
「そらあ、そう思うわいねえ・・」
「リゾートの件は、未優ちゃんが、美弥さんに全面任せると言うてイベントの決定もした。その上で、神部に視察せえ言うんは、誰じゃってそう思うわな」
「うちは互いの考え方や、違いをうちはぶつけて欲しいなと思っただけ」
「それは、全くわしも意見を述べるつもりも無いわ。未優ちゃんの考えでやったらええわい。まあ・・こう言う緊張感が確かに必要じゃわな。沢木グループは微温湯の考えではいかんきんの」
とりが笑うと、我が意を得たりと、未優も頷いた。
こうして、とり、神部は出発した。美弥は相当ぴりぴりしていて昨夜から一睡も出来ていなかった。夫の須崎が、
「おいおい・美弥、そんなに入れ込んでたら、倒れてしまうよ。肩の力を抜いたらどうだい?」
「でも・・この企画はどうしても、私はやり遂げたいの」




