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若菜の海  作者: 白木
272/399

成長

「はは・・ほやって、未優ちゃんに意図あるやろがい、そら美弥さんじゃって神部と同じように思うとる筈じゃわ」

「そらあ、そう思うわいねえ・・」

「リゾートの件は、未優ちゃんが、美弥さんに全面任せると言うてイベントの決定もした。その上で、神部に視察せえ言うんは、誰じゃってそう思うわな」

「うちは互いの考え方や、違いをうちはぶつけて欲しいなと思っただけ」

「それは、全くわしも意見を述べるつもりも無いわ。未優ちゃんの考えでやったらええわい。まあ・・こう言う緊張感が確かに必要じゃわな。沢木グループは微温湯の考えではいかんきんの」


 とりが笑うと、我が意を得たりと、未優も頷いた。

 こうして、とり、神部は出発した。美弥は相当ぴりぴりしていて昨夜から一睡も出来ていなかった。夫の須崎が、


「おいおい・美弥、そんなに入れ込んでたら、倒れてしまうよ。肩の力を抜いたらどうだい?」

「でも・・この企画はどうしても、私はやり遂げたいの」

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