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成長
若菜が美弥の顔を見つめる。美弥の事を尊敬し、自分も一緒に仕事をしたいと思っている。三木未優とは、その美弥が到底足元にも及ばないと言う沢木グループの次女である。長女環にも先日会ったが、全身を包み込まれるようなオーラを感じた。未優の前では、どんなに着飾った自分も見抜かれて丸裸にされてしまうだろうな・・若菜は思っていた。
「え・・ええ、はい。分かりました!」
短い電話だったが、
「美弥姉さん、何か?副オーナーから?」
若菜が聞く。
「オーナーの目的は、リゾート施設内の合同鳩舎の事らしいわ。近隣の競翔家、委託鳩舎を含めて今後の鳩舎運営について、話をするらしい。私には神部部長と、思う存分意見を戦わせて欲しいと言う事だわ」
「え・・それって、つまり、私がオーナーとの会議に出て、美弥姉さんは、炎の塊のようだと言われる神部部長と?」
「まあ、そう言う事よねえ・・」




