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若菜の海  作者: 白木
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成長

 須崎、君成、若菜は、同じ一族の血を引く者達だ。その者達が、意図せぬ中で不思議な接点を持ち、ここに自然と集合するような・・

 理恵は、美弥にもそう言う感覚を話したのであった。


「そう・・なんですか。血の繋がりって否定しませんが、君成さんも、今や㈱RECの常務取締役開発部門長に戻られたし、何と言うんでしょうか・・故雄一郎会長の熱い思いが、血縁を惹きつけているような・・何か私もですけど、これは自分の意図する事と不思議に一致しているんですよね。この話は、若菜ちゃんに当てはまります。佐々木由香里さんを中心にして、故沢木 純創業主、そして周囲が何かに突き動かされるように目的に向かって動いていた時のような・・私は、最初夫の為にと思い行動しました。でも、夫が㈱RECのTOPになる事よりも、もっと違う何かの力を感じるんです。君成さんもそうです。若菜ちゃんを今中心にして、動いているような・・そんな気がするんですよね」

「あ・・何となく・・私もそう感じてました」


 その感じている不思議なものは、どこにでも居るような少女の中にまだ眠っている感覚なのかも知れない。否・・そんなものは有していないのかも知れない。しかし、この不思議な輪廻は、嘗て*香月少年と*紫竜号のような魂の咆哮と言うような激しい葛藤ではなく、特別頭抜けた者が引っ張るものとは違う。穏やかに・・緩やかな中で普通の少女が、どう周囲の見守る中で成長して行くのだろうか・・

 そんな伏線が少しあった。


*白い雲

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