成長
環は言った。
「イベントは成功するじゃろうと思う。きんど、美弥さん、全部自分がする必要無い。もっともっと、人を活用して見るんよ。そら最初は危なっかしいじゃろ、もの足りんじゃろ。ほんでも、その者を育てる事が、もっともっと今後美弥さんが成長出来ると思う。それだけの才能を貴女は持っとるきんね。これからよろしく。旦那さんは、まさにそう言う人じゃわね。自分が成長すると共に、敵をどんどん排除出来る人やきん。回りが動いてくれるよう、一杯穴を持っとる。ほう言う人やきん、逆に周囲は安心するんよな。未優には姉妹じゃきんこなん事言うきんどな、そう言う隙は無い。周囲は逆に心落ち着くもんが無いかも知れんきんど、今度は畏怖されながらも、妙にこの人がやる事じゃきんと言う安心感、納得させるものを与えとるんよな。つまり、組織言うんは、それぞれの役目をするもんが居って成り立って行くと言う不文律があると思うんよ」
何となく美弥はその言葉を理解した。そして急ピッチで進むイベント事業を見ながら、環と一緒に、父沢木から、妻鳥道夫の強い希望で誘致した、競翔連合会合同鳩舎に来た。梅の花が咲き、日毎に暖かくなって来るこの季節。
そこには、以前と見違えるようにイキイキとした、佐伯若菜の姿が見えた。環はここでも・・




