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若菜の海  作者: 白木
252/399

成長

「親父とか、親類とかさ、皆鳩を飼ってて、逆に言えばさ。若菜ちゃんも、じいちゃんが鳩を飼ってたからと言う共通項がある訳だ」


 少し小難しい口調で言うのは、小柄、痩せ型で25歳になると言う和服問屋の息子、伊藤だった。ろくに家の仕事を手伝わず、この合同鳩舎で好きな鳩と触れて居られて、給料も出ると言うので働いている。後の3人は、高校生や、自発的に開いてる時間に手伝っているボランティア達だった。入れ代わり色んな人達が手伝いに来るので、常勤と言うのは2人で、若菜が休みの間だけ手伝う形のアルバイトとなった。


 若菜は、たちまち女性らしいきめ細やかな管理で働き出し、スタッフと打ち解けたその様子を、美弥も見ている。何となく若菜が立ち直り、通常の生活を送れている事に安堵した。彼女の中で、庇護を必要とする時間が心の成長を妨げ、殻に閉じ篭っていた時間・・それは、故沢木 純が、佐々木由香里に接した事と共通しているのだと、三木未優は言った。そして、それは、三木未優の姉、*妻鳥 環が、このリゾート施設に訪問した事で、より鮮明になる。

 彼女の持つ天性の明るさ・・それはやはり父を受け継ぐ非常に大きな包容力にあると思った。それは、美弥と言う個人をも、たちまちの内に魅了するものであった。


「貴女が須崎美弥さんじゃね。初めて会うわな。旦那さんとは何度もお会いしとるきんど。はじめまして」


*閃きの中で 沢木純の長女であり、現オーナー妻鳥道夫の妻 静寂の杜 愛生会老人施設オーナー

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