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変化
「けど、実際所長は仕事何もしてないんだから、出席出来た筈。何かなあ・・木下所長は全くやる気が無いんだから・・」
進藤が溜息をついた。こちらは駄目元であっても、佐伯とコンタクトを取り、散々嫌味を言われた上、ノーと駄目出しを食らい、戻ってきたばかりだから、流石に愚痴が出る。
「けどさあ・・黒田常務って、木下所長と同期じゃないの?」
須崎が言うと、進藤が
「ええ・・そうですよ。でも今では現社長の右腕と言われている方だ、黒田常務は」
「かつては木下さんが出世頭の最右翼・・」
言いかけたが、今の木下所長は、負け犬でしかない。それも無気力この上無い人間である。立場は意識を決定する・・どこかそんな言葉が頭に浮かんだ。
その夜も、須崎は既に顔なじみになった小料理屋、「菊」に訪れていた。
「へえ、すーちゃんはボクシングやってたんかあ」
良く話し相手になっている、大きな体の今村と、細いが、無駄な贅肉をそぎ落とし、しっかりした筋肉の体の円西(通称 まーちゃん 39歳)とわいわい話している。




