成長
美弥の才能を一番良く知る須崎だった。ここまでの地位に上った事は必ずしも自分の本意では無い。しかし、立場はTOPとしての意識を変えて行く。須崎は、今一生懸命やっている社員が、報われる会社にしたいと思っている。その組織作りを沢木グループに学ぼうと目指している。美弥も、その才能を三木未優によって見出されようとしているのだった。
それから、少し経った・・・久し振りに三木未優が、神奈川にやって来た。彼女の多忙さは相変わらず、このタフさには感心する美弥だった。彼女に質問した。
「え?健康に気を使っている事?ふふ・・沢木グループはね、老人の杜と言われる古くからの日本の伝統や、言い伝えなんかも研究している部門があるんよ。近頃は、茸を静寂の杜一帯に栽培しつつ、藍川牧場近辺でも栽培工場を作っとるわ」
「茸の工場・・ですか?」
「そう、工場。茸って農業じゃ無く、土を使わない12毛作の今は菌床栽培が主流になりつつある。自然のままが一番良い言うんは誰でも思うきんどね?それだったら、雇用は成り立たん、中山間地域をどう活性さそうか言うんは、アグリビジネスの本義やきんね」
「成る程・・じゃあ、未優さんは、そう言う茸を拓さん食べて居られるから、お元気なんだと言う事ですか?」
「ふふ・・それはあるんかも知れんね。民間療法って案外馬鹿にならんのよ。東洋医学的な治療は余病を治療する事、免疫力を高める事。西洋的な外科手術は、その病原を退治しても、結局的に体の免疫力を下げ、他に副作用が大きいんよね。勿論、手術言うんを否定はしとらんのやきんどね」
「成る程・・深いですね」




