成長
こちらは、須崎家・・
「ふうん・・若菜ちゃんが、美弥と一緒に仕事をしたいって?」
「ええ・・突然だったから返事は出来なかったけど・・でも、それが適って、若菜ちゃんが本当の意味で自立出来るのかな・・」
「ん?どう言う意味?」
「確かに、未優さんや、私が若菜ちゃんの病を治そうと色々やって来たわ。その気持ちは純粋だけど、でも、若菜ちゃんがこれから飛び出す世界は、周囲の庇護の中にあるのでは無く、自分で切り開いて行く未来じゃないかと思うの。私が彼女を受け入れ、入社させるのは簡単だわ。でも、それが本当に彼女にとってのベストな選択なのかな・・」
須崎は、美弥の正面に座りなおした。
「何となく・・言ってる意味は分かった。若菜ちゃんの、或る意味不遇なこれまでの事情は分かったけど、そんな境遇を抱えているような人達は、世の中に一杯居る。それがたまたまの偶然に出会ったと言うだけで、つまり彼女に対しての純粋な意味での手助けと、君が言う人生をも手取り、足取りする話では無いと言う事かな?」
「言い方は全然違うんだけど・・」
「ああ・・御免。若菜ちゃんの自立を君は願っていると言う事だよね」
「ええ・・」




