表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
若菜の海  作者: 白木
243/399

成長

「おう・・そうだ、そうだ。まだ赤ん坊を抱えて、今では㈱REC社長として須崎さんも忙しい立場。奥さんも揃って事業となると、まあ、大変だよなあ」

「私・・手伝いたいの、美弥さんを」

「けど・・そんな簡単なもんじゃ無いだろう?美弥さんが私縁の者を入社させると言う話は、若菜、それは幾ら親しくても甘え過ぎじゃないのか?」

「うん・・だから、今経済学の事、一生懸命勉強してる。堂々と入社試験を受けるつもりよ、じいちゃん」

「そうか、そうか。若菜がそう言うのなら、じいちゃんも応援するよ。逆に思えば、美弥さんの所ならこれ以上も無くじいちゃん達も安心も出来るしな。で?父さん、母さんに言ったのか?」


 佐伯氏が問うと、若菜は首を振る。


「ううん?父さん、母さんは、佐伯海産㈱で私が働く事を当たり前に思ってる見たい」

「ああ・・成る程・・」


 それ以上は、佐伯氏も言わなかった。まだ大学一年生。ようやく精神的ショックから立ち直りつつあり、初冬の事だ。そのうち考えも変わるだろうと思った。

 北国の冬は厳しい・・しかし、若菜はこの地が決して嫌いでは無かった。海に立つ時、もう心配しなくても良いのだ。両親の出港を見守る必要は無い。ひとりぼっちで寂しくて、唯一心の拠り所の鳩を抱いて両親の帰りを待っている事も無い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ