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若菜の海  作者: 白木
240/399

接点

「こんにちは!」


 若菜が、美弥のマンションに遊びに来た。須崎達は、あれから神奈川に引越しして、美弥が沢木グループ敷地内の鳩舎を管理するようになっていたのだった。若菜は、眼下に広がる海が大好きで、美弥の管理している鳩舎に良く鳩を見に来るのだった。


「若菜ちゃん、大学生活は順調のようね」


 美弥がにこりとすると、


「はい、美弥姉さんも、何か凄い注目されているようですね、競翔界で・・」

「ふふ・・だって、日本中の有名血統が殆どこの鳩舎に入ってる。特に香月系は、今ではどこも使翔してないわ。それに、合同鳩舎と言う形だから、優劣がはっきり出る。規模もそうだけど、この眼下に広がる海って良いわよね」

「はい。私も大好き・・北海道の海とは違うけど」

「若菜ちゃんは何をやりたいの?卒業したら」

「私・・美弥姉さんと一緒に仕事したい・・」

「え?若菜ちゃん」


 少し美弥は驚いた。縁故と言う形を、沢木グループは歓迎をしていない。

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