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若菜の海  作者: 白木
237/399

接点

「済みません・・私が思う事・・そして一番そんな言葉を聞きたくも無いでしょう、心の中でそれを割り切れない菊野さんにとっては、一番辛い言葉です。・・せめてお腹を傷めた若菜ちゃんの近くに居たい。そのお気持ちは十分過ぎる程分かっています。でも、それじゃ駄目なんです。理恵さん、若菜ちゃん、菊野さんにとっての関係とは・・」


 何で娘の側で、見守る事も許されないのだろうか・・若菜の病状の中に、その空き巣事件があった事、そして自分を命がけで助けてくれた菊野が、実の母だと言う事を彼女自身も知る事となり、産みの母、育ての母に対する自分の心の有りかた・・幼い心にどれだけの重圧を持ち、言いたくても言えなかった、その思い。何時しか少女は無口になり、意思を封印した。

 それを知り、菊野はとうとう声をあげて泣き始めた。


「く・・うう・・ああ・・」


 美弥も菊野に抱きつき、同様に泣いた。母だからこそ分かる気持ち・・その身を裂くような痛みが・・

 その重みを若菜から取り去る事が、若菜の最良の治療だと・・今は菊野が理恵と会い、若菜の事を思うが故に、互いに心の葛藤をぶつけるべきだと・・どちらにも向ける事が出来ない若菜の心・・それがどれだけ心を締め付けて来たのか分かったからであった。

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