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若菜の海  作者: 白木
234/399

接点

「その時若菜ちゃんは、寂しいから鳩小屋に入っとって、歌を口ずさんどったんよね。その歌っちゃ、家族の者が誰も教えて無い曲・・実は、菊野さんが若菜ちゃんに接触しとったんがこの頃」

「え?そんな・・」

「勿論名乗っては居らん・・きんど、腹を痛めた実の娘・・両親も漁に出とって一人では寂しかろうと、彼女なりに心配したんよね。それは、或る意味ルール違反じゃきんど、それを責める事は出来んと思うんよ」

「ええ・・でも・・」


 未優は、この時、この佐伯家に事件があった事を聞かされた。留守宅である筈の佐伯家を狙った空き巣狙いが、入ったのだ。それも漁協の副組合長として留守にしているのを知っている漁業関係者だと言う事であった。


「空き巣は、まだ幼い若菜ちゃんがまさか一人で居る事を知らず、歌声が聞こえて来て驚き、顔を見られてまずいと彼女に襲い掛かった。きんどね、菊野さんが、佐伯さんが戻って来るまでの間、すぐ近くで居ったんよ、泣き叫ぶ若菜ちゃんの声を聞き、彼女を助ける為、菊野さんは家に飛び込んだ。その機転が無かったら、きっと若菜ちゃんはこの世に居なかっただろうし、菊野さんの背中には、今も深いその時の切り傷の跡がある言う話なんよ。」

「まあ!」


 美弥は、驚き、口に手をした。

 未優は続ける。

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