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第2部 勃発
屋鍋は、それを指摘したのである。黒田は、すぐ・・
「ああ、いやいや。雑談として聞いてくれよ。須崎君。今日の議題とは少しずれていたね。まあ、そんな考えもあると言う事だ。君の辣腕を期待しての私の偽らざる気持ちなんだ」
屋鍋は、少しにやっとして須崎に視線を送った。彼はとにかくこの場を救ったのである。
しかし、須崎はこう言った。
「はあ、雑談だと言われるならば、今日の会議の議題は、流通の話だったですよね。私から質問させて貰って構いませんか?」
「ああ・・」
黒田は、ここで須崎の思いもせぬ猛反撃を受けるのである。
「社長ご自身、3つの流通部門の社長もご兼任で御座いますが、その中で山下海運の事で御座いますが・・いえいえ、私も資料の用意はしておりません。これは雑談ですので」
「何・・山下海運の事で何か?」
「はい、近頃中国の上海から、大量に豚肉が輸入されて御座いますよね」




