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若菜の海  作者: 白木
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氷解

「じゃあ・・須崎が㈱RECの血縁と言う事を・・黒田社長は?」

「知らないし、知ってたら彼を追い出してたわよ、間違い無く。でも、ここでHZK㈱や沢木グループと言うこれ以上無い取引先を、須崎さんは自分の力で引き寄せた。更にKS食研㈱さえ今では取引先に加えているわ。ここまで来れば、佐久間会長も、バックアップは当然して来るわ。親友の無念の思いの為にもね」

「だって・・恵一さんは、本妻の子を恨むのでは・・?」

「いいえ・・郁子夫人には言ってた。親父の思いは、不慮の事故で亡くなった前妻に済まないと言う気持ちと、その長男の行く末。長男がまさか重篤な病気で亡くなり、血縁は須崎さんのみ。心のどこかで郁子夫人は、女の子である若菜ちゃんより、須崎さんと言う存在を認めたかったのかも知れないわ。そして、君成前社長を又㈱RECに戻してくれた。何故そう思ったのかは・・分かるでしょう?美弥さん、貴女の力なのよ、それは」


 美弥の眼から涙が零れ落ちた。これが、血縁?いや・・創業家の思い?郁子夫人は知っていたのだ。だから、須崎に相談に来た。菊野が須崎に何故若菜を託くそうとしたのかも分かったのだった。何と言う因果が複雑に絡み合っているのだろうか・・

 須崎には、そう言う天恵的な経営者としての才能や、人間的魅力を持って生まれて来たのかも知れない。

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