表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
若菜の海  作者: 白木
162/399

奇策

 佐伯氏が、かっと眼を見開いた。非常に驚いた顔だった。


「な・・に?若菜が自分の出生を知っているだと?」


 美弥は頷いた。


「はい・・どこから得た情報かは分かりません。でも彼女は知っています。本当の両親では無い事を・ただ、誰が本当の親かは正確には知りません。その名は出ても、彼女には確かめる手段も無いし、顔も知らないので」

「何と・・・おお・・何と不憫な・・若菜・・」


 祖父として、絶対守らねばならない秘め事を若菜が知っていると言う衝撃に、佐伯氏は泣いた。


「学校にあの子が行かなくなった理由は、その辺にありそうです。心無い子どもの父母が、又聞きして流した情報でしょう」


 この時、居る筈の無い理恵が聞き耳を立てていた。何となく美弥が何で急速に自分達に近付いて来たのか少し疑心を持ち始めた頃だったのだが、この会話は、彼女の心を大きく揺さぶったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ