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若菜の海  作者: 白木
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奇策

「競翔仲間が出来ちゃったね、若菜ちゃん」

「うん!美弥お姉さんが、鳩飼いだして私、嬉しい」


 どうだろう・・この短期間での彼女の変化は。美弥と若菜に信頼関係が築かれている事を須崎も知った。須崎は、嬉しそうに若菜を見詰めた。年は離れているが、妹が出来たような気分になった。

 さて、しかし若菜の心の拠り所が出来たとは言え、母親理恵と若菜の距離は、近くは無い。美弥は、理恵にこんな投げかけをした。話のついでに軽く聞いたもので、理恵も、


「そうなの・・夜泣きがひどくてね・・あの娘。美弥さんもそうだったの、ふうん」

「まあ、でも本人が覚えている訳じゃ無いんですけどね、ふふふ」

「ふふふ」


 美弥は思った。我が子として受け入れていた理恵の心の中に、若菜は決して今のような間柄では無かった事を・・きっと菊野の存在が彼女の心を凍らせたのだろう。又拿捕によって、前原家への恨みを噴出させたのであろう・・ただ、複雑に絡み合うこの感情だけは、容易には解きほぐす事は出来ない。彼女は、祖父佐伯氏にも接近し始めた。既に彼女が佐伯氏に近付くのはごく自然なもので、物事を思慮深く、賢夫人だと佐伯も凄く美弥の事を気に入っていたのだった。美弥には、隠れていた才能があった。それが須崎の伴侶となった事で、一気に花開いたようだった。

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