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感情
「須崎君の奥さんになられた途端、あの東神原連合会の、日本一と言われる小谷スピード系を初めて北海道に導入し、それも美弥さんの叔父さんになるとは・・はは・・美弥さんは・・」
若菜は非常に喜んだ。そして美弥を姉のように慕うのだった。こうなれば、理恵は、美弥を拒否出来ないし、親娘の関係の間に彼女が入る事で、大きく状況が変化するのである。
「若菜ちゃん、北竜号って3つも400キロレースで優勝してるのよね」
「うん」
「どうして、400キロレースでそれ以上の距離に参加させないの?」
「怖い・・」
「怖い?それ以上の距離に参加するのが?」
こくんと頷く若菜であった。特にこの北竜号に対する彼女の思いは強い。その理由を美弥は聞いた。
「聞いても良い?」
若菜は美弥を見上げて、その後無口になる。
「言いたく無ければ良いわよ、若菜ちゃん」
「あのね・・」
「ん?」




