感情
「手段だと思わないわ。だって、私は本来動物好きだし、飼って見たいと本も買って来た。その本読んで本気で飼いたくなった。香月博士の数々の著書と、もう亡くなられているけど、川上氏の手記・・感動したわ」
「ふうん・・まあ、そう言うのなら反対するつもりは毛頭無い。若菜ちゃんの事だよね、一番美弥が思ってる事」
「ええ・・あの娘を明るく、笑う子にしたいの。私は是非、そうしたいの」
「有り難う・・」
「何で貴方が・・礼を?ふふ。」
「俺、若菜ちゃんは凄く繊細で優しい子だからさ。笑う顔が見たいと思ってた。何か、感じるんだよね、あの子が何か言いたいって事があるのが・」
間もなく、本当に美弥が北海道連盟、根室競翔連合会に所属し、本格的に競翔し出したのには周囲が驚いた。理恵が思いつきでは無く、美弥が入会する前から競翔鳩について並々ならの知識を持ち、勉強もしていた事に驚くのであった。予想外の展開に、驚くのは、須崎だけでは無かった。美弥の叔父が、東神原連合会所属の*小谷氏であった事は、周囲が更に驚いた。その叔父から、小谷スピード系をあっと言う間に導入するや、佐伯氏を唸らせた。
*白い雲、隻眼の竜




