決断
「え・・突然の拝命で、戸惑いの中に居ます。同時に大きな責任も感じておりますが、この身をまずは北海道支社としての今後を見据えて、粉骨砕身頑張って行く所存ですので、各支店長、営業所長様達にも一層のご協力と、ご鞭撻をお願い申し上げます。さて、私が副支社長としてこの4ヶ月見て来た事で、気づいた点が幾つかありました。まずは、その活動について、4分割方式で見直しをご提案致します。まず、海産物取扱部門を1グループとし、根室営業所を中心として、部門長を指名します。安藤君を」
「おお・・」
ぱちぱちと拍手が沸く、少し複雑な表情をしながら安藤は頭を下げた。
「次に酪農・農産物部門ですが、ここには2つの取扱窓口で分けます。酪農部門と農産物部門です。これまで取扱量的には㈱RECは大手食品会社に押されて、非常に脆弱でした。これは範囲が広すぎて動けないと言う不備もあった為、まず、酪農部分を旭営業所所長の脇君に部門長を。次いで、農産物部分を千歳営業所長の渡辺君に」
ぱちぱちとこれも拍手が沸く。それぞれ実力の認められる営業所長達であるし、順当とも言える人事で、この時点で須崎は、彼らの掌握をほぼ7割固めた。黒田の推挙でもあるが、異論のあるものでも無かったのである。




