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少女と鳩
話の中で、佐伯は、漁連の副理事長職の他、競翔鳩の北海道連合会の理事長でもあるとの事、少女との接点を少し須崎は納得した。
だが、話が進むうちに、佐伯は須崎が愕然とする事を言い出した。
「ああ、孫の若菜におつまみを頂いたようだが、それと商売とは無関係だからね」
「えっ!あ・・ああ、そんな事はちっとも」
ああ、あの娘は若菜ちゃんと言うのか・・須崎は思ったが、佐伯は予想外に厳しそうな眼であった。木下が慌てて、
「佐伯さま、近年では当会社も色々食材を加工する技術も向上しておりまして・・」
ところが・・
「ふん・・あんたのとこの事情は良く知っとるわい。あのせがれは元気かい?」
せがれ?誰の事だろう・・須崎は思ったが、佐伯は既に立とうとしていた。
「あ、お待ち下さい。佐伯さま」
木下が言うが、
「わしは忘れんからな、あの小僧がしでかした事は」




