1章ー6話「クァルファラの仇?」
‐港町コーヴァスにて…
ラッシュ達が着く3日前…
ミレンス「ふむ…なかなかいい港だ。ここで奴らを見張りますか…」
???「…私の計算では…あなたが出る幕ではないようです。ここは上級魔物に任せるべきでは?」
ミレンス「いえ、奴の…クァルファラの仇をとるのですよ。なんだかんだ言って仲間でしたから…せめてもの供養ですわ」
???「…頑固ですね。ミレンス殿」
ミレンス「そうかしら?私の性格上仕方のない事よ。優秀な魔神様」
魔神・???「しかし、そのオネェ口調はやめていただきたいね」
ミレンス「お節介ね!いいじゃないのよ。私は私なのだから…」
魔神・???「ハァ…先が思いやられるな」
ミレンス「…今に見ていなさい…あの人間」
‐そしてラッシュは港町コーヴァスについたのは日が暮れる直前だった
ラッシュ「はぁはぁ…なんなんだ?あの魔物強かったね」
ゴイル「まったくだ。今日は宿屋に泊ろうじゃないか」
ラッシュ「そうだね…お!あそこにしよう!」
ゴイル「うん」
―――
ラッシュ「こんにちわー泊めてください!」
宿屋のおばさん「いらしゃ…残念だね坊や。今日はもう満杯なんだ」
ラッシュ「え…そうですか…」
宿屋のおばさん「じゃ、ようがないならさっさと出ておいき!」
ラッシュ「ご、ごめんなさい!」
ゴイル「満杯か…なら、仕方ないな。どこかで飯を食べるか」
ラッシュ「そうしよう…」
―――
ラッシュ「すいませんー!」
食堂のおじさん「あん?なんだ?今、食材が無くてやってないんだ悪いな」
ラッシュ「え…ごめんなさい」
食堂のおじさん「ほら、帰れ」
ゴイル「なに?食堂もやってないと…どうしちまったんだ?」
ラッシュ「わかんないよ」
村人A「すいません、今日泊めてもらえますか?」
宿屋のおばさん「一泊50Gだよ!」
村人A「お願いします~!」
ゴイル「お、おい…宿屋満杯じゃなかったのかよ」
ラッシュ「確かに満杯だって言ってたけど…」
村人B「おなかすいたよ、魚の料理くれるかい?」
食堂のおじさん「おう、さっき入ったばかりのいい魚を使うぜ」
ゴイル「おいおい…食材がなかったんじゃ…?」
ラッシュ「僕たちを拒否してるようだね…」
村人C「まさしくそうだよ!…確かラッシュとゴイル…だったね」
ラッシュ「え?」
ゴイル「なんだと?」
村人D「3日前にある占い師がココへやって来て、そう助言したんだ」
ラッシュ「なんだろう…僕たちの悪いうわさを流している…?」
村人C「ここにいてもいいが。誰も親切にはしないと思うぞ。さっさと出て行った方がいいかもな。疫病神」
ラッシュ「…ッ!」
―――――
ラッシュ「いったい誰が…」
ゴイル「クァルファラの仲間か…でも、誰なんだろうか」
少女「あのー…」
ラッシュ「はい?」
少女「私、アイリスって言います。あの、泊るところがないのなら…家に来ませんか?」
ラッシュ「え、いいのかい?」
ゴイル「俺たちゃ疫病神だぜ?」
アイリス「とりあえず話があるんです…」
ラッシュ「お邪魔しよう。ゴイル」
ゴイル「おう」
―――
アイリス「確かに、3日前突然占い師を名乗るお方がここにやってきました。その方はこう言ったのです」
占い師「今、ここの町に危機が迫っています。いずれ訪れる厄病神のせいで港町では水難事故が多発し魚も取れなくなる」
アイリス「そして、その危機の原因がラッシュさんとゴイルさん…と言うわけです」
ラッシュ「なるほど…」
アイリス「私のおじいちゃんはこの町の町長をしています。2日前…占い師ともう一人フードを被ってよく見えませんでしたがその方達と共に裏の海底洞窟と呼ばれる魔物の巣穴に行ったまま帰ってこないのです。町のみんなは疫病神の祟りだとか何とか言って…みんな今もラッシュさんたちに冷たいのです。ですが、私はそう思いません。あの占い師…その声どこかで聞いたことがあるのです」
ラッシュ「声?」
アイリス「この前、大都市ワートンで魚人・クァルファラに新鮮な魚を届ける役目に当り届けに参った時クァルファラと話してました…といっても心通的な感じで声だけ聞こえるだけで姿は見ていません」
ゴイル「俺たちクァルファラを倒したんだ。そして、ミレンスって名乗る奴が心通を使ってクァルファラに助言してたのは聞いた。もしかしたらそいつが…」
アイリス「クァルファラを倒したんですか…!…だったら仇かもしれませんね。ただ、私はおじいちゃんが心配です。あの海底洞窟にはクァルファラのような魔物が住んでいますから…」
ラッシュ「じゃ、僕たちが助けに行って皆に誤解を解いてもらおう!」
アイリス「私が案内します。でも、今日は遅いですから夕ご飯と寝床を提供します」
ゴイル「ありがとう!」
‐海底洞窟
ビーバン「…占い師様…そろそろ戻りませぬか?この先には魔物がおりますぞ」
占い師「心配には及びません。私も少しは魔術を使えますが…こちらの魔神・ショウ様は私よりはるかに強いお方…この辺の魔物など容易く倒せますわ」
ビーバン「魔神…!!」
魔神・ショウ「時を変え空想を生み出す…ショウだ」
ビーバン「なぜ、占い師様が魔神なんかと…?」
占い師「フフフ…私は人間に復讐するために…この町を利用したに過ぎない…ラッシュを殺すために」
ビーバン「!ラッシュは疫病神では?」
ショウ「そんなのウソに決まっている」
ビーバン「なんと…」
占い師「私は上級魔物四幹部の一人ミレンス。お見知りおきを…ともう死ぬ奴に言っても無駄よね」
ビーバン「く…」
ショウ「では。ミレンス殿先に戻る」
ミレンス「えぇ、あとは任されるわ」
ビーバン「海の術!」
‐ミレンスの周りに海の水が漂い始め身動きが取れなくなった!
ミレンス「無駄な抵抗を…だが私は華。こんなもの!」
‐ミレンスは身体から触手を出しビーバンを植物に変えた
ビーバン「ア…イ…リス…」
ミレンス「フッハハハハハハハ!!!!」