1章ー24話「訪れる満月の晩」
‐アーリー村
ラッシュ「ここがリアハン大陸で一番高いところにある村か…」
?「一番天に近いとされ神聖な場とされておる…よって魔物の侵入も本当は防がなければならないのだが…」
ゴイル「なぜか、俺は入れるな」
ギン「ガリアさん」
ガリア「ギンにビワ。いったいどこへ行っていたんだい?それに、そちらは?」
ビワ「い…いえ少し夜道の散歩をしていたら山で野宿しようとしていた彼らに会い…山での野宿は危険だからと…連れてきたのです」
ガリア「ふむ…じゃが…そこの者は魔物…」
ゴイル「確かに俺は魔物だな」
ガリア「…神聖な場に邪の者が来るとは珍しくてな…」
ラッシュ「ゴイルは元は悪い魔物の部下だったけど今は良心を持っている…きっと邪の心が無くなったから入れたんじゃないかな」
ガリア「魔物に良心などあるわけない」
ビワ「そんなことありませんよ!…とりあえず宿をお貸ししてあげましょう」
ガリア「構わんよ…。さぁ、私の家に来るといい」
ラッシュ「ありがとうございます!」
ギン「(…。ラッシュさん…。明日の朝に村長宅から西にある小屋まで来てください…)」
ラッシュ「(…了解です)」
ガリア「では、行くぞ…」
‐翌日
ラッシュ「ここかな…」
ギン「あ、お早うございます!」
ゴイル「おはようー!」
ビワ「村長宅で何か不審なこととかありました?」
ラッシュ「いや…なかったね」
ゴイル「そう言えばちょうど真夜中の刻の時に地下で物音がしたな…気のせいだろうと思ってまた寝てしまったけど…」
ギン「やっぱり魔物がこの村にいるんでしょうか…。その地下に行きたいのですが…村長さんたちの目が厳しくて」
ゴイル「今日の晩にもしかしたら誰かが石化するかもしれないんだろう…?」
ビワ「おそらく…狙われているのは俺やギン…村の若者…だ」
ラッシュ「なんで若者…?」
ギン「村長さんには子供がいません。次期村長になるのは僕とビワ、ジャス、ディオなんだ」
ラッシュ「…それじゃ、狙われてる候補はギンさんやビワさんってことになるね」
ギン「まだ、わからないけど…」
ビワ「そう考えたらなぜ僕たちを狙うのか…だね」
ラッシュ「村長さんたちに頼んで…固まっていればいいんじゃない?」
ギン「…きっと村長さんやガリアさんは許してくれないでしょう…」
ゴイル「なんでだ?」
ビワ「満月の晩は村長宅で神聖な儀が行われるんです…しかもそれが先々月から…」
ラッシュ「なんか…偶然とは言えないね…」
ゴイル「なら、こうしようじゃないか。ほかの村人とギンやビワがまとまってくれ。俺とラッシュで村長宅に忍び込む」
ギン「そんな…無理ですよ!」
ゴイル「大丈夫だ、な。ラッシュ」
ラッシュ「うん!」
ビワ「…」
?「…面白くなってきたな…ここの若者全部殺すまであと少し…か」