第一章「平和の終わり 破壊の始まり」
-人間が住む世界 リアハン大陸の南西に位置する小さな王国ロットにある少年が住んでいました。
彼の名前はラッシュ。今年14歳になる少年で王国の人気者と言っても過言ではない。小さな王国のヒーロー的存在だった父レオワールは王様であるロットと旧友で家族ぐるみの仲だった。
今から2年前。突如、王国の近くにある渓谷…ロット渓谷で魔物に襲われ怪我をする人が増えていた。それは、王国の国民もそうだが遠くの街から行商に来る商売人も多かった。
商売人が減り王国に食材も輸入されなくなりロット王は困り果て旧友レオワールに相談した。レオワールは王国一の強さを誇り彼自身一番魔物と対等に戦えると自負していた。
ある夏の朝、レオワールは王国を去り魔物を討伐しに向かった。…その日の午後には多くの行商人が王国を訪れた。再び王国は平和に保たれた。しかしレオワールの姿は見えなかった。
その後王国の兵士が渓谷を捜しに行くとすでに殺されている魔物の姿を発見し近くにはレオワールの剣が置いてあった。しかし、レオワールの姿は見えなかった。
王国の中心にはレオワールの像が建てられたがラッシュの心の傷は消えることがなかった。
ロット王国の決まりで14歳にならなければ旅に出ることは許されない。そしてラッシュが14歳になった日…。
ロット王「お前は今日で14歳。旅に出る決心がついたと共にお前の父を捜す旅が始まる…」
ラッシュ「…王様、今まで父の代わりに育てていただき感謝しています」
ロット王「レオワールやお前には本当に迷惑をかけた今でも後悔しているよ。あの時レオワールだけで行かせてしまったこと。せめてもの侘びとしてお前の面倒は見たつもりだ」
ラッシュ「あの時、いったい何があったのか。過去を見る能力を持つといわれるセレブレッゾ大神殿の大神官・ギファル様のとこへ行き見てもらいます」
ロット王「セレブレッゾ大聖堂はここから遠い。長い旅になるだろうよ」
ラッシュ「まずは北西にある街…ワートンへ向かいます」
ロット王「近頃は平和だが…昔は魔物がいた時代もあったもの。いつ何時現れるかわからない。いつでも戦える準備をしておくんだ」
ラッシュ「わかりました。では、そろそろ向かいます」
ロット王「辛くなったら戻って来い。お前の居場所はここにあるからな」
ラッシュ「…はい」
そしてラッシュは、王国ロットを後にし北西にある大都市ワートンへ向かった。途中、行商人や旅人に出会いいろいろな交流を深めていった。
ラッシュ「ワートンまでもう少しか。…頑張らないと。お父さん待っててね」
???「待つんだ。そこの君」
ラッシュ「?」
???「そう、君だよ。ラッシュ君」
ラッシュ「!?なんで、僕の名前を?あなたはいったい…?」
???「ふむ、私の事をすっかり忘れているようだな。まぁ、いい。改めて。私の名前はヴィヴァ」
ラッシュ「ヴィヴァ…?聞いたことないです。王国の国民ですか?」
ヴィヴァ「生憎…私は陰に生きるもの。光を嫌う黒仮面」
ラッシュ「…何を言っている?」
ヴィヴァ「私は、この世界が憎い。この世界を破壊すれば私の憎しみも消えよう」
ラッシュ「…何を言っている?」
ヴィヴァ「人間を殺せば我々の邪魔は消えゆる。ラッシュ、お前は忘れているようだな。仕方ないが…お前にいいことを話そう」
ラッシュ「なんだ?」
ヴィヴァ「この平凡でつまらない世界に魔物がいたら面白いとは思わないかね?クックック…こんな話をしている間に魔物を封じていた結界が破壊されたようだ」
ラッシュ「…あ、あれは」
ヴィヴァ「せいぜい、魔物にやられないように…ラッシュ君」
スライム「人間!僕と勝負だー!」
ラッシュの前に現れた黒仮面・ヴィヴァ。彼の目的は世界の破壊。彼の話だと魔物を封じていた結界が大分前に破壊され魔物がうじゃうじゃ湧き出ているという。さて、ラッシュは無事に大都市ワートンへたどり着けるのか…。
魔物を倒すことができるのか…!?