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1章ー20話‐A「悪魔の宮殿」


 ‐魔界 悪魔の宮殿


 ヴィヴァ「…ベルモートが生きて居た…と」


 シュン「そのようだな。あいつが我ら魔神を裏切るとは…思いもしなかった。勝手な研究がいずれ我々の邪魔になるとは感じていたが」


 ヴィヴァ「シュン。生きて居るという確証はあるのか?」


 シュン「…いや、モンスターファイブという連中がベルモートの事を喋っていたのをショウが言っていた。もし仮に奴が生きて居たならば…」


 ヴィヴァ「そうか。エヴォル殿はこのことを知っているのか?」


 シュン「エヴォルに入っていない…余計なことを口に出すと“あの計画”の邪魔になるだろう?」


 ???「確かに…邪魔にはなるじゃろうが…詳しく話は聞いておきたいのぅ」


 シュン「エヴォル…。ガアルの番はいいのか?」


 エヴォル「ユリファ様に任せておる。少しの間なら問題はないじゃろう。それに…あの裏切り者のバカな博士が生きて居るとなると…」


 ヴィヴァ「ベルモートの事詳しくお教え願いたいですね」


 シュン「…エヴォル。任せていいか」


 エヴォル「…うむ。いいじゃろう。あれは…ガアル様のお父様。ベアル様が生きて居た時代の話です…」


 ‐魔界創造後の時代


 ベアル「なに?魔神を呼び起こす儀式をしている人間がいるだと?」


 エヴォル「はい。どうやら、人間界のセレブレッゾ大聖堂…と呼ばれる神の祀る祭壇らしいです」


 ベアル「神に仕える者が魔神を呼びさまそうとしてるとはバカな奴じゃ」


 エヴォル「詳しいことはわかりませんが、もし復活の儀式の際は…少しお時間を…」


 ベアル「いいだろう。いっちょ暴れてやるか」


 マリッジ「あなた、あまり暴れてはいけませんわ。今が一番平和で幸せです」


 エヴォル「…私もその方がありがたいです」


 ベアル「じゃかぁしい!俺は…俺はただ俺の世界。この魔界の領土を増やそうとしているだけだ!その何が悪い?」


 マリッジ「…何も言っても無駄のようね」


 ベアル「マリッジ。心配するな。お前たち。そして子供たちに危険は…」


 エヴォル「ベアル様!始まりました…!復活の儀式です」


 マリッジ「あなた…」


 ベアル「我は人間には従わぬ。それだけは覚えておけ」


 


 ‐セレブレッゾ大聖堂


 ???「生贄の用意はできた…あとは呪文を唱えるのみ…


 


 …悪魔の頂点に立つ魔神様。もし、我が願いを叶えてくださるのなら我が目の前に現れよ…


 


 ベアル「我を呼ぶのはどこの人間だ…ふん。我を復活させるとはバカな人間だ」


 ???「ま、まさか本物の魔神様…」


 ベアル「貴様が呼び起こしたのだろう。我が本物の魔神だ。我を復活させたのには理由があるのだろう。なんだ。世界征服か?」


 ???「いいえ、この私に…ウェルートに!知識を授けてください」


 ベアル「知識だと…?ふむ…最強の知能とやらか…」


 ウェルート「私の魂を魔神様に…」


 ベアル「ふん。くだらんことを考える人間だな」


 ギファル「な、何をしているのです!ウェルート、おやめなさい!」


 ベアル「ならば、お前の望みはそれでいいのか」


 ウェルート「はい。私の魂を魔神に…そして私は最強の知能を…」


 ギファル「ウェルート、バカなことはやめなさい…」


 ウェルート「ギファル大神官。私はもう悪に染まったのです」


 ベアル「いいだろう。貴様の命をもらおう!」


 ウェルート「あ、ありがたき幸せ…!!!!」


 ‐そして、ウェルートは魂が抜けたように動けなくなった。


 ベアル「魔界できっといい博士として働いてくれるだろうよ。大神官ギファル。今度会った時はこの魔神ベアルが人間界をすべて我が魔界の領土と化す。覚えておけよ」


 ギファル「魔神…ベアル…」


 


 


 


 


 


 ‐魔界


 エヴォル「…どうやら、争いもなく願いをかなえたそうですね」


 ベアル「奴の魂…それほど価値はないが魔界の力の糧とさせてもらう。いいな?」


 エヴォル「勿論です」


 マリッジ「あなた、お客様です」


 ベアル「通せ」


 マリッジ「さ、どうぞ」


 ???「魔神様…私はいったい?」


 ベアル「確か人間の名前は…ウェルートだったな。だが、お前はもう魔物だ。人間ではない。名前を変えるのだ」


 エヴォル「名前を変える…いいですね」


 ベアル「最強の知能を与えた。この魔界で一番天才と言っても過言ではない。魔界の博士…Dr.ベルモート」


 ベルモート「ベルモート…ですか、いい名前ですね」


 ベアル「貴様は魔界で好きなことをするがいい。ただし、我々を裏切る言うな真似をしてみろ」


 ベルモート「大丈夫です。この知能を魔神様に役立つことに使います」


 ベアル「ふん。そうだといいんだがな」


 


 

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