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1章ー11話「あの時の真実…盗賊ギヴァ現る」


 ‐海底洞窟 盗賊の間


 ラッシュ「…誰かいる…」


 アイリス「…え?誰もいないようだけど…」


 ゴイル「…匂いも全く感じられん…ぞ?」


 ラッシュ「いや、さっきアイリスさんがトラップを踏んだ時から誰かいる…」


 アイリス「なら…さっきの人かも…」


 ラッシュ「隠れてないで出てくればいいのに…」


 ゴイル「恥ずかしがり屋なのか…」


 ???「クックック…探偵気取りはやめておけ…小僧」


 アイリス「あ…あなたは!」


 ???「…アイリス…か…」


 アイリス「どうして…ジーヴァさんがここに?」


 ジーヴァ「…町長さんに用があって家に行ったんだけどお留守で…仕方なくいつも通り海底洞窟にある作業小屋に…」


 ゴイル「作業小屋…?そんなのここにあるのか…?」


 ラッシュ「来る途中にはなかったけどね…この先にあるんですか?」


 ジーヴァ「あ…あぁまぁな」


 アイリス「でも、こんなところで作業って…」


 ジーヴァ「…あ、あれだよ。最近噂になってる魔物が町へ出てこないように仕掛け…トラップを新たに仕掛けたり…」


 ラッシュ「昔の盗賊たちが仕掛けたトラップの他に新たにあなたが仕掛けてるんですか…?」


 ジーヴァ「…そういうことだ」


 ラッシュ「…そういえばジーヴァさんってここにある財宝の事…ハートの間やスペードの間のことになんか知ってる?」


 ジーヴァ「財宝の事…確か怪盗コーヴァスが何年か前にこの奥地に財宝の隠した…と町長さんに聞いたことがあるね。でも俺も残念ながらこの先の作業場より奥には進んで行ったことがないんだ。なんにせよ盗賊たちが仕掛けた罠があるから町の者でもない者が迂闊に近づくと……」


 ゴイル「迂闊に近づくと…?」


 ジーヴァ「…ところで、アイリス。町長さんは何処へ行ったかわかるかい?それに、なんで君たちがここに?…よく見ればあの占い師が行っていた例の二人組に似ている…な」


 ラッシュ「…!!そういえば…僕たちは…」


 ゴイル「まだ、誤解を解いてなかったな!」


 アイリス「ジーヴァさん!…実は…」


 ‐アイリスは今までの事を話した。


 ジーヴァ「…ふむ…そのミレンスという奴が占い師…そして占い師はラッシュ君たちを疫病神と…町の皆はそれを信じて君たちに冷たくしたと…」


 ラッシュ「はい…まぁミレンスの事詳しく知らないので…信じてもらえるかわからないが…」


 ジーヴァ「ところで…君たちの言っていたハートの間やスペードの間のこと…詳しく知りたいのだけど…」


 ゴイル「それは俺たちも知りたい…んだけどな」


 ジーヴァ「手がかりは無し…か」


 ラッシュ「(…なんでだろうか…この人怪しい感じがする…)」


 アイリス「作業場見せてもらいたいのだけど…いいですか…?」


 ジーヴァ「…いや、駄目だ」


 アイリス「な、なんで?」


 ジーヴァ「…あんまり言いたくないですけど…財宝はすべて私がもらうから…」


 ラッシュ「ッ!」


 ゴイル「なんだと?」


 ジーヴァ「クックック…冗談ですよ。冗談」


 アイリス「な、なんだ…よかったです」


 ジーヴァ「(…なかなか財宝のありかが見つからなかったが…どうやらやはりあの4つの部屋がキーとなっているか…。だがあの時…全部の部屋を捜したはず…)」


 ラッシュ「ジーヴァさんって…コーヴァス出身なんですか?」


 ジーヴァ「あぁ、父親もコーヴァス生まれでね」


 アイリス「え?ジーヴァさんは…」


 ジーヴァ「…(しまった。つい考え事をしていて本当の事をしゃべってしまった。ラッシュとやらに聞かれても問題はないが…アイリスに聞かれてしまった…)」


 アイリス「5年前…私が小さいころの事だからあんまり覚えてないけど…噂になったことがあるの。ジーヴァさん。あなたは確か…」


 ジーヴァ「…まぁ、いいでしょう。仕方ありません。本当のことを言いましょう」


 ラッシュ「本当の事?」


 ジーヴァ「確かに、ここ海底洞窟の奥地には怪盗コーヴァスが隠した財宝が眠っています。ですが…8年前ここへ来たときには奥の部屋は4つに分かれているだけで財宝なんてありませんでした」


 ラッシュ「ってことは、大盗賊ゼ・ゾドボールの仲間…?」


 ジーヴァ「私の本当の名前は盗賊ギヴァ。ゼ・ゾドボールの息子であり今も行方不明とされているあのギヴァだ」


 アイリス「でも…あの時なんでみんな死んであなただけ助かったの?」


 ギヴァ「俺がこの手で殺したんだ。仲間や父をな」


 ゴイル「なんだって?」


 ギヴァ「確かに、財宝はなかった。だが微かなヒントを得たんだ。確証はなかったが…当時アジトでの会議の時にそのことを父に伝えた」


 ‐8年前…


 ゼ・ゾドボール「で…何かわかったことはあるか?」


 ギヴァ「今日、微かな手掛かりが見つかりました」


 子分A「手がかり?」


 ギヴァ「4つの奥の部屋…あそこの奥はダンジョンにつながっていて最深部に何らかの鍵…があると思うんです。それで3つの部屋の鍵を解き最後の部屋に財宝が隠されている…そう思うんです」


 ゼ・ゾドボール「だが、ダンジョンへの入り口などなにもない」


 子分B「結局、お前の推測にすぎないな。あっはっは」


 子分たち「はっはっは」


 ‐・・・


 ギヴァ「あの時は悔しかったね…俺なりに頑張って調べたつもりだったけど誰にも信じてもらえなかった。そして決めたんだ財宝はすべて俺がもらうと。それで邪魔になるのは仲間たち…」


 ラッシュ「…ダンジョンへの入り口を見つけられもしないのに…財宝が本当に隠されてると思ったの?」


 ギヴァ「…あぁ。あのメンバーの中で俺は一番年下だった。雑用をさせられたまたま町に出向いた時にこっそり町長が言ってたんだ。まだ子供のアイリスにな。…あんな馬鹿な盗賊に財宝なんて見つけられるわけない。4つのダンジョンをクリアし…さらに鍵を解かねば…とね」


 アイリス「…」


 ギヴァ「みんな寝ているときに殺し俺は逃げた。一先ずこの町にいられないと思ったからだ。ただでさえ盗賊は嫌われるからな」


 ラッシュ「そして…?」


 ギヴァ「3年後戻ってきた。名前を変えてな」


 アイリス「そして5年間ここに籠って仕掛けを作り最後のダンジョンを捜しながら誰も入れないようにしてたんだ?」


 ギヴァ「町長と占い師が海底洞窟に入っていくのを目撃し何をしに行ったか見に行こうとしたが…あの占い師…嫌な気配がしてな近寄りがたかった。で、今日何しに行ったか聞きに行こうとしたんだ」


 アイリス「生憎、おじいちゃんはミレンスに連れ去られこの奥にいるわ。今も。たぶん財宝の間に…」


 ギヴァ「財宝の間…?あの部屋の事調べたのか?じーさんは」


 アイリス「怪盗コーヴァスのトレードマークであるハートのA」


 ギヴァ「…たしか、4つの部屋の一番右…」


 ラッシュ「そこが財宝の間…いやハートの間か」


 ギヴァ「だが、財宝を手に入れるにはまだ…」


 ゴイル「だから、そいつらは俺たちに鍵をとって来いと命令してきたってわけさ」


 ギヴァ「なるほど…財宝はやはりあるのか。だがあの占い師…何が目的で」


 ショウ「お前に知る権利はない」


 ギヴァ「誰だ?」


 ラッシュ「さっきの!」


 ショウ「私はショウ。ただの旅人さ」


 ギヴァ「お前…まさか占い師と一緒に…」


 ショウ「ほう?よくわかったね」


 ギヴァ「財宝に最初に目を付けたのは俺だ」


 ショウ「…」


 ギヴァ「俺の邪魔はしないでもらおう。この8年間の努力。我慢…そして…」


 ショウ「くどい」


 ギヴァ「ぐはぁぁ」


 ‐ギヴァは拳銃により撃たれた


 ギヴァ「…貴様…」


 アイリス「きゃぁぁぁ」


 ショウ「ミレンス殿はお前を存在を知っていたさ。この前からな」


 ラッシュ「ッ!何をしている!これは…」


 ショウ「…盗賊ギヴァ。残念ながらここの財宝はすべて魔族のもの…」


 ゴイル「魔族…!?もしかして…確かに似てるかもしれんが…なんで」


 ギヴァ「…あと少しだったのに…」


 ‐ギヴァは息絶えた


 ショウ「…見られてしまいました…か」


 ゴイル「あなたもしかして魔神三将の…」


 ショウ「シュンとはあったかい?」


 ラッシュ「魔神三将のシュン…」


 ショウ「財宝は私らにとってはゴミ…本当の目的は…いや今言うことではないか」


 アイリス「ギヴァさんを…ジーヴァさんを!」


 ショウ「…」


 ‐ショウは一瞬にして消えた


 ラッシュ「逃げた…」


 ゴイル「…やっぱりか」


 ラッシュ「ゴイル?」


 ゴイル「魔神三将の復活…俺たち魔物の現世への復活何を意味してるのか…」


 ラッシュ「…」


 アイリス「…絶対おじいちゃんを助けて魔物から財宝を守らないと!」


 ラッシュ「そうだね。ギヴァさんはかわいそうだけど。今は急ごう」


 ゴイル「おう」


 


 

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