16 《お父様、ハリーさん 仲良し大作戦》④
「僕は構わないけど、どうする?ハリー」
「よろしいのであれば、ご一緒したいです。」
よしっ!!両者からの了承を得られなかったら、どうしようかと思ったけど、無事計画を遂行できそうでよかった、と安堵する。そして、引き続き計画を進めるために絶対的な決定権を持つ方が釣れる言葉を選んで頼む。
「実はこの近くにおいしいレストランがあるそうなんです。そちらにいきませんか?ちなみに、いつ外食になってもいいように調べておいたんですの。」
「ユリアが僕のために!!」
なんとも嬉しい勝手な解釈のおかげで、少々強引かもしれないが、レストランを目的地とすることができた。決まったら、早速馬車に乗ってそのレストランに向かう。
しばらく馬車に揺られてついたレストランでは、店主がお出迎えをしていた。
そして、その店主を見た途端、大人二人が驚く様子を見せた。
この店の店主は、お父様とハリーさんが小さい頃一緒に遊んでいた、ガキ大将であった。
二人とも驚きを隠せないようで、目を見開いたまま立っているし、店長も二人がいることに驚いている。私が昨日、メイにこの店の貸し切り予約を頼んだ際、私名義だったからだ。店長も、他家の御令嬢との食事会に使うとでも思っていたのだろう。
両者ともに少し緊張した空気が張っていた。しかし、客に対応しようという気持ちが自動的に働いたのか、ガキ大将だった人が、「店内へどうぞ」と促す。
断る理由もないので、まだいつもの状態には戻っていないけど、大人二人もついてった。
あと、もう少ししたら、私は運に身を任せて、この計画を終える。
元ガキ大将さんのお店は、素朴な味のポトフが人気のお店で、貴族もその味を求めて訪れるほど。という設定です。